株式投資をしていると、「立会外分売」という言葉をたびたび目にします。ネット証券から定期的に送られてくるメルマガなどにも、頻繁に立会外分売情報が掲載されていたりします。
でも、「どんな取引ルールになっている?」「普通の取引とどう違う?」と聞かれると、答えられないという人も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は、意外と知らない「立会外分売」の基本的なルールをご紹介します!
主な目的は新規株主の獲得
証券取引所の立ち会い以外で株を買うなんて、なんだかいつものお買い物気分!? |
分売といっても、売るのは私たちではありません。企業が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分け、証券会社に依頼して、投資家に販売するのがその基本的なしくみ。つまり、売ったり買ったりできる通常の取引と異なり、立会外分売では、買うことしかできません。
企業が立会外分売を行う目的は新規株主を増やすことにあるといわれています。新規株主を増やしたい理由はさまざまですが、なかでも注目したいのが、東証1部への指定替えを見据えている企業が多いということ。東証1部に上場するための最低株主数の基準をクリアするために、立会外分売を使って個人株主を増やしにかかっているというわけです。
立会外分売で株を買うことのメリット
では、株を購う側である私たちにはどのようなメリットがあるのでしょうか?一番のメリットともいえるのが、分売価格がちょっとおトクに設定されているということ。
分売価格を決定する基準となるのは分売実施前日の終値。通常はこれよりも平均で3~5%ディスカウントされた価格が分売価格になります。最大ではなんと10%ディスカウントされるので、かなり割安で買うことができます。分売実施当日の寄り付きが前日の終値と同じであれば、ディスカウントされた分だけ、利ざやが稼げるということになりますね。
また、購入時の手数料が不要であることもメリットです。
売却する場合には、通常通り、証券取引所を通じて取引することになるので、手数料が掛かるのが一般的ですが、片道分無料になることの意味は大きいといえるでしょう。
さらに、購入した株が思惑通り東証1部に指定替えを果たせば、株価の上昇にも期待が持てます。
→次ページでは、立会外分売のスケジュールをご紹介します!