年金

平成15年総務省統計局家計調査から 経済的自立、ここがポイント(2ページ目)

老後の生活は、人生の先輩の生活ぶりを参考にするといいでしょう。平成15年家計調査結果をもとにこれからの生活設計のヒントを探ってみました。

執筆者:All About 編集部

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統計資料とわが家の場合は違う!


以上の統計資料は、現在の高齢者の実態を示す全国平均の数字です。

実際のわが家を考えた場合、まだまだ子にかかる教育費が続く家庭もあるでしょうし、住宅ローンなどの返済が現役引退後も続く家庭もあるはずです。また、毎月の生活コストが大きくふくらんでしまっている場合にも、資料の数字はあまりにも低くて比較にならないでしょう。

このように、「わが家の場合」と比較しても、参考にできる数字もあれば、できない数字もあります。

それでも、将来必要な生活資金を予想して、わが家の家計収支と比較してみる価値はあるはずです。

 

収入源である年金にスポットをあてた「これからの生活設計」


現役引退後の収入の柱となるのは、将来においても公的年金でしょう。
その公的年金にスポットをあてて、これからの生活設計で何が大切かを考えてみることにしましょう。

公的年金のゆくすえは、決して明るいものではありません。
少なくとも平成16年の年金改正により、年金給付水準はマクロ経済スライドによる自動調整が行なわれ徐々に引き下げられることになりました。その引下げ幅は、現行水準から15%程度にもなります…

また、年金から天引きになる公的介護保険の保険料の動向も気になるところです。

公的介護保険の保険料は、平成15年4月から全国平均で13%程度引上げられたこともあり、非消費支出は増加傾向にあり、実質的な年金の手取り額が減っています。
非消費支出の3年間の推移…平成13年=2万6641円 → 平成14年=2万6851円 → 平成15年=2万6931円


このように、現在の高齢者世帯においても発生している収入と支出の赤字幅は、今後ますます大きくなることが予想できます。

これらの赤字分については、当然予め準備しておいた老後資金、例えば個人年金や企業年金、あるいは預貯金などを取り崩して補填していくことになります。

ところがこの赤字は、今後も生きている限り発生するでしょうし、その補填も続くことでしょう。予め準備していた老後資金の中には、一定期間のみ受け取る契約の個人年金や企業年金もあるでしょうし、預貯金だけでは限界はあるでしょう。

つまり、一定期間だけではなく生きている限り底をつかない老後資金の準備ができているかどうかが、これからの生活設計の鍵になります。

そのためには、生活コストを下げる努力をすることと本格的な運用に慣れて手持ちの資産を長期運用の軌道にのせることの二つを並行して実行していくことだと思うのです。

現役引退までに時間があるのなら、じっくりのんびり構えた長期投資による運用をはじめておきたいものですね。

今から始める人には、時間は味方してくれます。ハッピーリタイアメントめざして頑張りましょう!

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