はじめに

不倫・DV
 
不倫やDV(ドメスティック・バイオレンス)は、それぞれ決定的な離婚理由となります。まず、不倫ですが、夫婦には、それぞれに一夫一婦制からくる貞操義務があるので、それに違反することが離婚理由となるのは当然です。民法の列挙した離婚原因の中でも不倫は真っ先に挙げられています。また、暴力が相手の人格を否定する卑劣な行為であって、決して容認できるものでないことも明らかですから、「婚姻を継続しがたい重大な事由」としてやはり離婚理由になります。

不倫

不倫とは、法律用語では不貞行為といいます。どこまでいけば不貞になるのかですが、やはり単にキスをしたとか、デートをしたというだけでは足りず、肉体関係があった場合に、はじめて不貞行為があったと考えるのが裁判例の主流です。また、不貞行為は、法律上、明確に離婚原因とされていますが、たった一度の不貞行為があれば、必ず離婚できるというわけではありません。不貞はしたけれども、本人が深く反省しており、今後は健全な夫婦生活をすることが期待できるような場合には、離婚が認められないケースもあります。

ところで、不貞をされた側は、不貞をした配偶者はもちろん、不貞の相手方に対しても、慰謝料を請求できます。ただし、不貞の相手方に配偶者がいる場合には、その者から、自分の配偶者に対して、同様に慰謝料請求がなされる可能性があります。

DV

次に、DVとは、ドメスティック・バイオレンスのことを言います。離婚紛争において、DVすなわち暴力は悪の典型です。したがって、配偶者を怪我させて医師の診断書でも出されてしまうと、大変不利な状況に追い込まれます。

かつて日本では、夫から妻に振るわれる暴力は、家庭内の問題だから、特別取り上げる必要はないという考え方が主流でした。このため、警察に被害を訴えても、家庭内の問題にはかかわらないという態度をとられてしまい、多くの女性が泣き寝入りをしてきました。しかし、女性に対する暴力は男女間の不平等な力関係の表れであり、これが男性の女性に対する支配および差別ならびに十分な地位向上の妨害につながってきたことが主張されるようになり、これを改善するべく、DV法「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」が制定されました。

DV法では、保護命令といって、被害者が配偶者からの暴力によりその生命または身体に重大な危害を受ける恐れが大きいときに、被害者の申立により、裁判所は、一定期間、加害者を被害者から引き離す命令を発することができます。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。