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年収の10%も天引きされているのに! 高い社会保険料がさらに上がる!

私たちの生活を守ってくれる社会保険。毎月のお給料から保険料が差し引かれているにもかかわらず、保障の内容や保険料について意外と知らないもの。この機会に保険料をチェックしてみよう。

執筆者:上野 やすみ

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会社員の人はお給料からいろいろなものが引かれています。給料明細を見ればどんなものにいくら引かれているかは分かりますが、それが何のために引かれていて、自分にどのように役に立つものなのか、勉強する機会はなかなかないのが現状です。
お給料から差し引かれるお金は大きく分けて税金と社会保険料の2つですが、値上げが予定されている社会保険に今回は注目してみましょう。

社会保険料は健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の3つです。40歳以上の人はこれに介護保険料がプラスされます。

(1)健康保険料
病気やケガで病院に行ったときの治療費の一部を保障してくれる制度です。病院の窓口で支払う医療費は、かかった医療費の2割。残りの8割は健康保険の制度から支払われていることになります。そのほか4日以上休んだ場合に給料の6割が支給される傷病手当金、1ヶ月の医療費が一定額を超えた場合に一部払い戻してくれる高額療養制度など、長期入院した場合の保障もあります。

保険料は月収(標準報酬月額)の8.5%を会社と本人が半分ずつ支払っています。月収26万円の人の場合、本人の負担は11,050円。ボーナスに対しては1%で会社が0.5%、国庫補助0.2%、本人負担は0.3%となっています。ボーナスが50万円の場合、本人負担は1500円です。
月収26万円で、ボーナス2回合計100万円(年収412万円)もらっている人は、年間で135,600円の健康保険料を支払っているというわけです。
会社に健康保険組合がある場合には、各健康保険組合が3%~9.5%の範囲内で保険料を設定しています。

現在はこのようになっていますが、2003年4月からは窓口での本人負担は3割になり、保険料も月収ではなくボーナスを含めた年収で計算されるようになります。年収に対して8.2%を会社と本人が半分ずつ支払うことになり、前述の年収412万円の人が自分で負担する保険料は、年間で168,920円。今までより33,320円多くなります。

(2)厚生年金保険料
老後の年金のほか、万が一亡くなった場合に遺族に支払われる遺族年金や障害を負ったときに障害年金がもらえます。
保険料は月収(標準報酬月額)の17.35%、ボーナスの1%を会社と本人が半分ずつ支払います。月収26万円、ボーナス2回合計100万円(年収412万円)もらっている人は、年間に支払う保険料の本人負担は275,660円です。

健康保険料と同様、厚生年金保険料も2003年4月から年収ベースで保険料を計算します。年収に対して13.58%を会社と本人が半分ずつ支払うようになり、前述の年収412万円の人が自分で負担する保険料は、年間で279,748円。今までより4,088円多くなります。

(3)雇用保険料
会社を辞めたあと、すぐに職が見つからなかった場合などに給付金がもらえます。このほかスキルアップのための講座を受講する場合の給付金(教育訓練給付金)や、介護や育児のために休業した場合に休業給付などがあります。
保険料は月収の1.75%で会社は1.05%、本人は0.7%を負担します。月収26万円の人の本人負担は1,820円、年間で21,840円です。

これら3つの社会保険料を合計すると年間で437,188円となり、年収の10%以上になることがわかります。
少子高齢化で今後ますます保険料の増加、給付の抑制が予想されます。仮に社会保険の保障が削減されれば、民間の保険などで自分で準備しなければならないものも増えてきます。社会保険についても、保障内容や保険料に関心を持つようにしましょう。

<関連サイト>
年金制度の基礎知識(All About Japan 年金)
iFinance?社会保険
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