推薦入試のポイントは調査書と面接
推薦入試では、多くの資料をもとに総合的に評価され、合否が決定される。
推薦入試と一言で言っても、私立高校の推薦入試は「採る推薦」であるのに対して、公立高校の推薦入試は「落とす推薦」と言われるほど実情は異なります。
私立高校の推薦入試では、高校側が提示する「内申点が一定値以上」「特別活動で一定以上の実績を持つ者」などの推薦基準をクリアしていれば合格になるケースがほとんどです。ところが、公立高校の推薦入試は人気が高く、志願者が多いため、推薦を受けられたとしても合格するのは簡単ではありません。
東京都のケースを例にとってみましょう。中学校長の推薦を受けた者が受験することができる「一般推薦」と文化やスポーツ等で優秀な成績を収めた者が受験することができる「文化・スポーツ等特別推薦」があります。
一般推薦では、「各都立高校があらかじめ定めた選考方法に基づき、調査書、面接の結果(小論文又は作文、実技検査を実施する都立高校にあってはその結果を含む)、入学願書による志望及び校長が必要とする資料(自己PRカードを含む)を用いて、総合的に判断」して行われます。
また、文化・スポーツ等特別推薦では、「各都立高校が自校の教育活動の実績や特色などに基づいて適切な基準を定める。面接のほか、実技検査等を適宜組み合わせ、選考資料として用い、総合的に判断」して行われます。
東京都のケースでは、配点は学校によって異なり、戸山高校のように小論文の配点が全体の約3分の1を占めるケースもあります。
- 日比谷高校…調査書点450点、面接170点、小論文100点
- 戸山高校…調査書点450点、面接80点、小論文240点
- 西高校…調査書点540点、面接120点、作文240点
- 八王子高校…調査書点540点、面接100点、小論文200点
内申書にはこんなことが書かれている
ちまたでは「生徒会長を務めると推薦入試で有利になる」という噂がありますが、これはあくまでも噂話。入試においてはほとんど関係ないと言っても過言ではありません。
では、内申書にはどんなことが書かれているのでしょうか。
- 教科の評価・評定値(内申点)
- 特別活動の記録
- 出欠の記録
- 総合所見
他にも部活動などの特別活動で、例えば県大会出場など一定の実績がある場合は評価が高くなります。皆勤賞(1日も学校を欠席していない)も評価の対象になる場合があります。