投機家ソロス
「ポンドに勝った男」として有名なジョージ・ソロスは、「市場は常に間違う」と言っています。
例えば株価は「その企業が将来にわたって生み出す利益の合計額(本当の価格)」の「予想値段(その時々の需給関係で決まる市場の価格)」のことをいうのですが・・・
ソロスは、市場が間違った時に大勝負に出ます。「本当の価格」よりも「市場価格」が“間違って”高くなっていれば、「売り」、市場価格が安くなっていれば「買い」ます。そして、適正な価格に戻ったところで反対売買(売った場合は買戻し、買った場合は売却)を行い利益を確定します。
投資家バフェット
一方、株式投資で、世界の「お金持ちランキング」の上位に入っているバフェットは、「市場は短期では人気投票だが、長期的には企業の真の価値を計る計測器(「ウォーレン・バフェット」ジャネット・ロウ著 平野誠一訳より)」と言っています。
市場は長期的には、適正な判断をするので、成長する企業を見極めじっくり投資するというスタンスです。
ここで「住宅資金の頭金を早くためるために株式の勉強をする」という投書について考えてみます。
この内容からみると、運用期間は短期のようです。
バフェット方式では、市場という計測器が真価を発揮してくれるまで長い時間がかかりますので、住宅資金の頭金作りには間に合いません。
投機で勝つには?
短期で儲ける方法はソロス方式です。つまり「投機」です。この方法で確実に勝つには・・・
(1)企業の本物の価値を知る(2)現在の市場価格が間違っているかどうかを見極める(本当の価値に比べて割高か、割安かを知る)(3)該当銘柄が見つかれば「注文」を執行する(4)自分が注文を執行した“後”で、他の人も同じように考え同じように行動するという条件が必要です。
ソロスは、ずば抜けたな頭脳の持ち主ですから、(1)(2)を行うことができるのでしょう。さらに、超大量の資金を持っていますので、自己資金(ファンド資金)で相場を動かしてしまうことも可能です。そうすると(4)が起こりやすくなります。
一般の投資家が確実に行えることは(3)注文を執行することだけです。(1)から(4)を確実に行えそうなソロスでさえ、連戦連勝というわけにはいきません。投機で勝ち続けることは難しいことなのです。
株式投機は、どんなに勉強しても、“必ず”勝てるものではないことを「自覚する」ことが最も重要なことです。