●年金があっても、毎月3万円の赤字になるのが現実
実際には、「自分の価値観にもとづいてリタイア後の生活費を計算して下さい」といわれても、「遠い将来の生活にどれくらいの資金が必要なのか検討もつかない」というのが現実でしょう。
そこで、「平均値の欠点」(次回記事で)を認識した上で、現在、既にリタイアされている人の生活費を参考に、自分自身の価値観に基づき必要な金額を想定していきます。
高齢無職世帯の家計・総務省によると、夫婦2人で支出は約26万円ほど、収入は年金などを含めて23万円ほどで、毎月の不足金額は約3万円ほどになります。年間の不足金額は36万円、20年では720万円ほど、30年でも1080万円ほどです。元会社員で現在リタイア生活を送られている人は、現役時代に意識して貯蓄をしていなくても、退職金などのおかげで、やりくりできているようです。
(自営業者は国民年金だけで退職金もありませんので自助努力が欠かせません。現役時代に真面目に働いた今の高齢者全員がゆとりのある老後生活を送っているとひとくくりで考えるのも問題があります。実は、年齢の高い人ほど格差が大きいのが現実です。)
年金問題がクローズアップされていますが、今後給付額が減ると現在の年金生活者と同じ状況というわけにいかないことはご承知の通りです。年金だけに頼る時代から、自助努力が必要な時代になってきています。
リタイア後の必要資金額を計算するには、具体的に年金給付をどの程度期待するかを考える必要があります。40歳!年金に頼らない生き方へ!
●自分にとって必要な支出額を考えます
「レジャー費を確保したいので月40万円は必要!」「堅実に15万円ぐらいで暮らせそう」などなど・・・実際の生活ぶりを想像しながら考えてみてください。
●収入金額を考えます
「もらえる年金額は、現時点の年金額(夫婦2人で約20万円強)の半分の10万円ほどと少なめに計算しよう」「年金は全くあてにせず、年金を受け取らないものとして計算しよう」・・・・・etc.
●リタイア時点の必要貯蓄額は?
計算した「収入額」から「支出額」を差し引きます。これが月間不足金額になります。
収入―支出=不足金額(月間)
不足金額を12倍して年間不足金額を計算します。
リタイア後の必要資金額=不足金額×リタイア後の期間(年)となります。つまり、この金額がリタイア時点で持っておくべき貯蓄額ということになります。