日本の株価を短期的に捉えると?
日本株式について、(さきほどの図と同じ期間)1ヶ月ごとの収益を計算し、それをグラフにすると、下図のようになります。
1949.5-2004.12のTOPIXの月次リターン
上がったり下がったり、たいへん激しい動きになります。株式相場は、本来、新しい価値を生み出す(=右肩上がりになりやすい)「投資」の対象となるマーケットなのですが、期間が短くなるほど、株価が上がるか下がるかは、1/2の確率(半々)に近づいて行きます。
長期的に上昇した日本の株価も、月次ベースで収益をみると、上がるか下がるかはほぼ 1/2 になります。さらに、週次ベース、日次ベースと、保有期間が短期になるほど、儲かるか、損するかが半々のゼロサム市場になります。
ゼロサム市場=「勝者の利益の合計」と「敗者の損失の合計」の和がゼロとなる市場・sum…合計、和
つまり、短期売買を繰り返し続けて行なう場合には、勝つか負けるかの厳しいゼロサム市場での勝負となり、収益はどんどん±0に近づいていくことになります(収益が0だとすると手数料を考えなければ戻り率は100%ということになり、戻り率50%未満の宝くじに比べると、随分マシということになりますが)。
投機は難しい?
機に投じる=投機は、タイミング(機)にお金を投じるわけですから、企業の内容よりも価格差に着目する方法です。つまり「株価当てゲーム」です。
この場合、最も効率のよい方法は、すべてのタイミングを捉えることですので、売買は必然的に短期となります。
株価変動の特徴は、上昇相場であっても、短期でみれば、上がるか下がるかは半々なわけですから、この中で、利益を上げ続けることはたいへん難しいことです。しかも、人には「欲と恐れ」という心理が働くため、売買を繰り返すと、(利益は多額、損失は少額にしたいのに)利益は少額、損失は多額という行動をとりやすく、ただでさえ勝率が1/2の市場の中で、収益率はさらに下がりやすくなります。
また、短期売買の場合には、タイミングに注視しなければならないので、自分の貴重な時間を使ってしまうことになります(多くの場合、株式売買が行われている時間帯は、自分の仕事をしている時間帯でもあります)。