株主構成によっては魅力軽減、乗っ取られる危険性も
サヤ取りが目的の株主ばかりが占める株主構成になると乗っ取りに遭う可能性も… |
もしも、阪神タイガース株式会社の株主全体の構成が、タイガースを応援するファンではなく、投機的に株価のサヤ取りだけを目的に売買する株主で占められる状況になったとすると、(その株主達にとっては、企業が利益を生み出すことによるメリットよりも、短期的な株価変動から得られるメリットの方が大きいため)株主が企業に「利益をたくさん生み出して!」と求めるインセンティブは小さくなります。
その結果、会社側も「利益を追求するためにファンが喜ぶようなサービス」などを考えなくなるという危険性が高まります。経営陣は企業の利益を追求するよりも、保身に走る傾向が強くなるかもしれません。
つまり、投機的な株主ばかりの構成になると、企業価値を高める←利益を上げる←売り上げが増える←ファンが喜ぶという“図式は成り立たず”、今多くの人が懸念するように「タイガーズ株」が株価当てゲーム(投機)の対象となり、タイガースの経営に対する株主の監視も働かず、タイガースの魅力が減る危険性も高まるかもしれません。
また、タイガース株の株主構成が、タイガースの企業価値が高まることによって利益を得ようとする「投資スタンスの株主」ではなく、短期的な株価変動により利益を得ようとする「投機目的の株主」ばかりとなった場合、例えば、企業価値の向上を考えない乗っ取り屋が突然現れ、「高い株価であなたの株式を買いますヨ」と言われると、簡単に株式を売却する可能性が高く、タイガース株式会社がタイガースのことを考えない乗っ取り屋に買収される可能性も高くなります。
資本主義の功罪
自動車はたいへん便利ですが、使いようによっては凶器にもなるというように、資本主義にも、よい面と悪い面の両面があります。そして、よい面が多くなるか、悪い面が多くなるかは、「それを使う人」によって決まります(使う人は、株主であり、市場であり、社会でもあります)。
また、個人、プロ野球界、社会において、「プロ野球球団が株式市場に上場すること」に対する整備が行なわれているかどうかも、上場の成否に大きな影響を与えます。
将来どうなるかわからないことを決める時には、多方面から冷静に見て、判断します。マネープランニングも将来どうなるかわからない中で行ないますので、阪神電鉄経営陣、村上さんと同じように様々な角度から考え、判断していく力が求められます。
【10/11 村上さんと阪神電鉄経営陣面談】
株式会社M&AコンサルティングHPに、<阪神電鉄経営幹部との協議について>として、10/11に村上さんが阪神電鉄の経営陣に面談した結果が報告されています。
詳しくは、M&AコンサルティングのHPをご覧下さい。
/上野博美
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