村上ファンドが阪神電鉄株式を大量保有し、阪神電鉄経営陣に「阪神タイガースを上場させよ」と株主提案をしているという報道が流れています。これを受けた街の反応は、「阪神タイガースを上場させるとはけしかんらん!」という声が多いのですが、株式投資という観点で、少し整理をしてみます。
株式投資の基本は同じ夢を見て応援!
株式投資の本来の意味は、企業の事業に賛同し応援する人が企業に出資すること |
事業を行なうのにはたくさんの資金が必要です。そこで、その事業の成功をいっしょに夢見る(賛同する)多くの人にお金を出してもらい事業を行ないます。その結果、事業が成功して利益が出れば、お金を出してくれた人にお金の出し分に応じて、その利益を配分します。
つまり、お金を出す人(株主)は経営陣にお金を託して事業を行なってもらい(投資)、出た利益を出資分に応じて還元(配当、株価上昇)してもらうことになります。
阪神タイガースが上場すると
今、多くの上場企業は、買収への対抗策として「企業価値を高める」努力や、「個人株主にファンになってもらう」努力を行っています。
株主優待を充実させたり、株主総会でコンサートを行なったり。個人株主が企業のファンになってくれれば、乗っ取り屋が来ても株主はそう簡単には株式を売却することなどしないため、たいへん効果の高い買収対抗策になり得ます。
村上提案が報道どおりだとすると、「阪神電鉄の持ち株比率を2、3割ほどまでに下げて、残りの株式は個人に保有してもらい、また株式の購入価格は一般の人が購入しやすいような金額に落とす」というような内容です。
真の阪神ファンは、チームが負け続けてもさらに強く応援する傾向があります。もし、この阪神ファンが株式を保有することになれば、少々のことでは売却することはないと考えられます。その阪神ファンで、株主構成比率の7割までを占める状況になれば、乗っ取りに対してたいへん強い対抗策を持つことになります。