2003年に登場した個人向け国債の概要
- 日本国政府が発行・10年満期
- 一万円単位で購入可
- 変動金利(金利は半年ごとに変動)
- 下限金利年0.05%
- 利子年2回支払
- 利率は、基準金利<10年固定利付国債の金利(10年固定利付国債の入札における平均落札利回り)>から0.8%差し引いた値
- 換金は1年経過後可能(直前2回分の利子相当額を支払う)
詳細はこちら・財務省HP
低金利時に有利な条件の個人向け国債(変動金利型)
金利負担が増えても国民に買ってもらいたい??背に腹は… |
今のような低金利の中、もし長期の固定金利の債券を買った後、世の中の金利が上がってしまうと、保有している債券の金利は低いまま置いてきぼり。そこで、保有している債券を売却して他の良い金融商品に乗り換えようとしますが、世の中の金利が上昇すると長期固定金利型の債券価格は大きく値下がりする為、途中で売却すると大きな損失を被る可能性が高くなります。そんな状況の中でも国民に長期の債券を購入してもらう(国民から長い間お金を貸してもらう)には、世の中の金利が上昇すると、債券の金利も同じように上昇すること、どんな時に換金しても(金利が大きく上昇していても)大きな損失を被らないことなどが条件になってきます。
この条件をクリアーして誕生したのが、既に発行されている個人向け国債(変動金利型)です。つまり、この債券は購入者にとってたいへん有利な発行条件になっています。逆に、国にとっては、今後金利が上昇すれば、払う金利負担が大きくなり、現在の金利状況を考えると不利な発行条件といえるのです。
金利が上昇しても金利負担が増えない債券の発行でありながら、国民にも買ってもらえそうな新型の債券を生み出そうとするのは、当然の流れかもしれません…。