寝耳に水のニュース! でも、値下がりは株式投資にはつきもの。あらかじめ緊急時の対応ルールを決めておけば、慌てずに冷静に対処できるはず。 |
不二家のみならず、有価証券報告書への虚偽記載による上場廃止の危機、製品不良による大量のリコール(無料での製品の回収・修理・交換)といった「寝耳に水」の事態に、投資家はどう対応したらいいのでしょうか。
(※個々のケースで取るべき対応は異なります。この記事は参考としてお読みください。)
INDEX
■倒産など最悪の事態が予想されたら、まずやるべきこと……P1
■事態をどう見極めるか……P2
■上場廃止の危機の場合……P3
最悪の事態が予想されたら、まずやるべきこと
最悪の事態が予想される場合、まず考えなくてはならないのは、「自分の資産全体がどのくらいのダメージを受けるのか」ということです。最悪の事態とは、企業の倒産で株式が無価値になってしまうことや、上場廃止になって市場で売買できなくなってしまうことです。上場廃止の場合、株式は無価値にはなりませんが、自分で買い手を見つけないと売りたくても売れなくなりますので、できれば回避したい事態です。その株式をたくさん持っている場合は(金額や株数だけでなく、自分の資産の何%を占めるかが大事)、最悪の事態によって被るダメージが大きすぎます。ひとまず、2分の1でも3分の1でも早めに売却して、ダメージの軽減をはかりましょう。すでに値下がりを始めているでしょうが、損失の拡大を防ぐ「損切り」も大切です。
危険な株に執着しない
ダメージを軽減した上で、その後の動向を見ながら冷静に判断することが必要です。企業がすぐにきちんとした対策を打ち出すなど、建て直しの道が見えて将来性があると思われれば、持っている株式の保持、場合によっては買い増し(せっかく安くなっているので)もアリでしょう。反対に、最悪の事態を免れないと判断したら早々に売ることです。急落の反動で一時的に値上がりすることがあり、そのタイミングで売れたらいいのですが、これがなかなか難しい。値上がりすると、「もっと上がるまで待ってみよう」と欲を出したり、「上がるということは、最悪の状態にはならないってことかな?」と惑わされ、迷っているうちにまた値下がりしてしまう可能性があります。
最悪の事態になるかどうかは、企業の対応やニュースなどに注目して総合的に判断し、売る「タイミング」は値動きを見て判断しましょう。できるだけいいタイミングで売りたいのは当然ですが、危機に直面している株式で儲けようとこだわることはあまりおすすめしません。市場には、ほかに優良な銘柄がたくさんあるのですから。
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