債券には2つの利益がある!利息と売却・償還時の利益

金利1%の債券と、金利1%の預金、どちらが利益が多いでしょうか。……この比較はそう単純ではありません。というのは、預金から得られる利益は利息のみですが、債券は利息のほかに、売却や償還(満期を迎えること)の際にも利益(または損失)が発生するからです。債券の利益について、順を追って説明します。

利息のほかに、売却・償還でも利益が出るかも

利息のほかに、売却・償還でも利益が出るかも



債券には、2つの値段「額面金額」と「価格」がある

債券には、「額面金額」と「価格」という2つの値段があります。「額面金額」は満期になったときに受け取れる金額で、発行されるときに決められたまま変わりません。その債券のもともとの値段、というイメージでよいと思います。一方「価格」は買ったり売ったりするときの値段で、その債券が人気のときは値上がりし、不人気の時は値下がりします。

「額面金額100円」の債券の「価格」は、101円になったり99円になったりします。101円で購入しても、99円で購入しても、満期がきたときに受け取れる金額は額面金額である100円です。101円で買ったなら1円の損失、99円で買ったなら1円の利益が出るということです。

また、債券の金利は「額面金額に対して何%」で計算されます。金利1%なら、「額面金額100円」を101円で買っても99円で買っても、受け取れる利息は年間1円です。

債券の利益は、「利回り」で考える

利息だけでなく、売却や償還で得られた利益や損失も含めて、この債券は結局どのくらいの利益を生み出したのか。それを表すのが「利回り」です。利回りは「最初の投資金額(購入金額)に対して、1年あたり、何%の利益を生んだか」を示します。

金利1%の債券を、額面金額100円あたり99円で購入し、5年後に償還(満期)された場合の利回り計算を、下の図に示しました。(税金は考慮せず)。利回り計算式も載せました。
債券の利益は利回りで計算する

債券の利益は利回りで計算する



預金でも、利回り計算が必要な場合がある

預金でも、「複利」で利息がつくものには利回りの考え方が必要です。複利とは、利息を元本に組み入れて運用にあてていくという方式です。金利1%の1年複利の預金に100万円預けると、1年後に1万円の利息がつきます。その1万円を受け取らずに元本に組み込みます。2年目は101万円を預けたことになるので、1万100円の利息がつきます。その1万100円も元本に組み込んで……というふうに元本と利息が増えていきます。

この複利方式の預金では、利息の金額がどんどん増えていきますので、単純に金利で考えるのではなく、「当初の預け入れ金額に対して、合計でいくらの利息が得られ、それを1年あたりに換算すると何%になるのか」、つまり利回りを考えることが必要になります。

債券と預金を比較してみよう

冒頭に戻って、金利1%の債券と金利1%の預金、どちらが利益が多いか考えてみましょう。預金は複利だとします。

債券の利息はずっと一定ですが、預金の利息は増えていきます。同じ金利1%でも、預金のほうが利息の合計額は多くなります。しかし、債券を高く売ることが出来れば、債券のほうが利益が多くなる可能性があります。もちろん、債券の売却や償還で損失が出てしまうこともあります。

債券を買うか預金にするかを検討する時は、利回りを比較してみることが必要です。債券がいくらで売却できるかは分からないので、額面金額で償還された場合を想定して計算してみるとよいと思います。
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