不動産投資を実践
Hさんは、成功するために思いつくことは何でもしてみた |
その次にしたことは、投資対象をしぼること。他の資産(株式や債券、預貯金など)とのバランスを考えた結果、投資対象は800万円程度におさまるワンルームに決定。そのうえで、不動産業者に物件の紹介を依頼。物件を紹介してもらうにあたって出した条件は、「賃貸中のもので表面利回り10パーセント以上」。Hさんが重視したのは利回り。そのかわり、それ以外には細かな条件は出さなかったそうです。ある程度古くてもいい、その分は利回りでカバーできたらいいと思っていたそうです。
投資用のものは「見もせずに買う人」もいると聞きますが、Hさんの場合、気になるものは全て見に行っています。ほどなくして、文京区で、「これは」というものをめぐりあい、即決。購入したのは、表面利回り12パーセント超、築20年の物件です。株を手放したお金で頭金をつくり、その他はローンで調達。晴れて大家さんになりました。
自分は借家暮らし、でもオーナー
Hさん自身は、今でも相変わらず借家暮らしです。このケースのように、自宅を買うより先に投資用物件の購入を考える人は珍しくなく、比較的若い人に多いと感じます。ところで、このようなケースで心配なのは、自宅が欲しくなった場合に「住宅ローンを思うように組めない」リスクです。Hさん自身は、自宅を購入する予定がないのと、いざとなったら手じまいできる程度のローンしか組んでいないため、あまり心配はなさそうです。しかし、自分はそうでないというのなら、後々のことまで考えて行動を起こす必要があります。「世界同時株安でゲンナリしていたとき、精神的に救ってくれたのは、このワンルーム。借り手がいるかぎり、ちゃんと賃料が入ってくる。東京の真ん中に賃貸物件を持っているというのは悪くないですね」と笑いながら話してくれたHさんの姿。とても印象に残っています。
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