もし銀行が破たんしたら、そこから借りている借金はどうなるのだろう…。 チャラになる!? 一括返済!? |
ペイオフは預金者だけの検討課題じゃない!
2005年4月から、預金の払戻保証額を元本1000万円とその利子までとする措置「ペイオフ」が全面解禁となりました。解禁後は大きな混乱や金融システムの異常もなく、円滑に進んでいるようです。「私には1000万円を超えるような預金はないから…」と、無関係に思っている方も多いかもしれませんが、本当に影響はないのでしょうか? 利用している銀行が破たんすると、預金面だけを気にしていれば良いのでしょうか?
ご存知のように銀行は預金業務だけではなく、“お金を貸す”という業務もしており、銀行と個人の取引は、預金をするだけと限られていません。そこで今回は預金者サイドからではなく、もう一つの側面、もしも銀行が破たんしたとき借入金はどうなるのかを見ていきましょう。
ローンはなくならず、受け皿金融機関で引き継がれる
ローンを利用している金融機関が破たんしたら、その債務はどうなるのか? 住宅ローンで考えてみましょう。「今後、どこにいくら返済していくのだろう…」「自分の住宅ローン債権はどこかに売り飛ばされるのでは?」「新しい債権者から、残債の一括返済を求められない?」などいろいろ不安に思われている方もいるようです。
過去に前例があまりないので、金利などの返済条件も変わらないとは断言はできませんが、基本的には金銭的な損害が出るわけでもなく返す先の金融機関の名前が変わるだけと思っていていいでしょう。
破たんした金融機関の事業を承継する受け皿金融機関に、今までどおりの条件で返済をしていくことになるのです。
ことに住宅ローンについては、優良な債権として位置づけられており、仮に受け皿金融機関がなくても、この事業内容だけは引き継ぎたいという金融機関は現れると考えられますし、整理回収機構(RCC)というところもあります。そのため、金融機関が破たんしたとしても、借金がチャラに!なんてことはありえません。