奨学金のデメリット
審査に通らないと奨学金を受けられない!
まず、申請しても借りられない可能性があること。特に審査が厳しい日本学生支援機構(旧育英会)を例にとると、様々な書類の提出を求められ、やや手間がかかります。選考委員会で人物・健康・学力・家計などが審査されますし、世帯主の収入額や家族構成なども判断材料のひとつになります。この審査に通らないと奨学金を受けられません。
また、支給できるのは「卒業までの最短修業年限」とされていますから、留年すると、卒業までの間に支給されない時期も出てきます。加えて、自治体の奨学金の中には、ほかの奨学金と並行して受けられないものも。利用の仕方には注意が必要です。
そもそも、奨学金は子ども自身の借金。働いてからの返済も長期にわたります。大まかな計算ですが、大学で月5万円を借りて4年で卒業したとすると、月5万円×12カ月×4年=240万円。これに利子を加えて毎月1万~2万円程度、少なくとも120カ月以上は返済を続けることに。10年以上ということになりますね。
奨学金が間に合わない、支給されない! そんなときは教育ローン
奨学金を使うつもりでも、お金が必要な時期に間に合わなかったり、支給されなかったりした場合は、教育ローンを考えます。まず候補に挙がるのは「国の教育ローン」。金利が低く(2.35%)、奨学金と同じような条件で利用できますが、上限は350万円まで。利用に保証人がいない場合、保証料もかかります。ただし、奨学金との併用が可能です。
日本学生支援機構(旧育英会)の有利子の奨学金(第二種奨学金)と異なるのは、国の教育ローンは申込時の金利で返済額が決まりますが、第二種奨学金は卒業してからでないと利息を含めた返済額が分からない、という点です。
第二種奨学金の場合、在学時は無利息ですが、卒業後は完済まで年3%を上限とした金利がかかります。そして、奨学金は子が返済するのに対し、国の教育ローンでは親が返済するという点も大きな違いです。元金据置返済(在学時は金利返済のみとする返済方法)を選ぶこともできます。