お金に追い込まれてしまう
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借金が返せない。そう追い詰められると、様々な事件・事故が起きてしまいます。防ぐ方法を学びましょう。 |
お金を借りて約束どおりに返済ができなくなると、時にそのことが原因となり、事故や事件、命まで絡む最悪の場合さえ起こりえることは、皆さんも日々のニュースなどから気がついていることでしょう。本来、「お金」とは私たちの人生を豊かに、そして楽しく感謝しながら付き合っていくという役割があるのに、お金の捉え方を履き違えてしまったり、使い方を間違えると、不思議なもので自分を追い込む発端原因にもなってしまいます。
先日、ある裁判をきっかけに2年程前の痛ましい出来事が、日の目をあびることになりました。それはこのような内容です。
魔法!? ?700万円が+1150万円に
北海道内で自営業を営んでいた男性(当時59歳)は、昭和57年頃から消費者金融などからお金を借りはじめ、その返済のためにまた借りて返すという、いわゆる自転車操業の使い方をしていました。返済に詰まり、平成18年2月にその男性は自殺しました。
当時5社から借入れがあり、借金の請求総額は700万円。ただ、この債務を利息制限法の上限金利で計算すると、借金自体そのもの(元利金)が完済されており、総額で700万円あるとされていた借金は0円であることが判明。それどころか、約1150万円が払い過ぎだったのです。当初この件を債務整理していたら借金はなくなり、1150万円という多額の払い過ぎを取り戻そうとする“過払い金”の請求がなされていたことでしょう。
このケースだけが特別ではない
それだけに、この男性の死は確かに残念でなりません。ただ、私はこの一件を700万の借金がゼロになり1150万円の過払いだったという、金額的な結果中心で捉えるべきではないと思うのです。なぜなら、適切な言い方ではないのかもしれませんが、この件は結果が激変したため注目され話題となる要素が強くなっているという印象を私は持っています。そして、このような変化とまではいかなくても返済するのに有利になるが、消極的な姿勢で残念な状況になっている人がごまんといることが、私の頭をよぎるのです。だから「このケースだけではない」というのが、この事件を知った初めの感想でした。