就職先を探す時は、給与はもちろん福利厚生の充実などをしっかり調査しておきたい |
一昔前では、年功序列の賃金が保証されており、会社に在籍し続けると役職が得られ、お給料があがるという仕組みがありました。今は、このような制度が少なくなり、機会があれば転職してステップアップをしたいと思う人が増えたのでしょう。
転職先といえばべンチャー企業が多くありましたが、最近では大企業でも即戦力を求め、中途採用が盛んになってきました。転職先として、大企業とベンチャー企業のどちらを選ぶかは迷うところです。転職するに当たって気になるのが、お金の事情。今回は、大企業とベンチャー企業のお金事情をみてみましょう。
平均給与は大企業が高額
まずは、上場している大企業、ベンチャー企業の中から代表的な会社の平均年収をみてましょう。IT関連のベンチャー企業A社の平均年収は497万円(年齢33.4歳、勤続1.9年)。同じくIT関連のベンチャー企業B社は、486万円(年齢30.9歳、勤続2.2年)となっています。
では、同じIT関連の大企業ではどうでしょうか? 大手IT企業のC社では、年収814万円(年齢36.1歳、勤続12.9年)。同じくD社で、年収655万円(年齢36.3歳、勤続13.6年)となっています。
大企業のC、D社の平均年収のほうが、ベンチャー企業A、B社より高いことがわかります。ただし、大企業C,D社の平均年齢が36歳となっており、ベンチャーA、B社より5歳ほど上ですね。
厚生労働省発表の賃金構造基本統計調査(平成18年)によると、大企業の男性の30~34歳の賃金から35~39歳への5年間の賃金の上昇率は、約1.23となっています。 単純にC、D社の賃金が、5年前から1.23倍になったとしましょう。5年前のC社の賃金は661万円、D社は532万円と予想できます。 大企業C、D社の5年前の賃金のほうが、ベンチャー企業のA社、B社より高いと予想できますね。平均給与を見る限りでは、大企業の年収のほうが高いといえるでしょう。
役職につけばベンチャー企業が有利
平均給与では大企業に軍配があがりました。では、ベンチャー企業で高収入は見込めないのでしょうか?ベンチャー企業の特徴は、経営陣が若いこと。大企業では、経験をつんで相応の年齢にならないと要職につくことは出来ません。それに対して、ベンチャー企業では、年齢に関係なく要職につくこともできます。
ベンチャー企業でも役職となれば、給与もぐっとアップします。例えば、部長職での転職案件では、年収1,000万円以上はザラ。平均年齢が低いベンチャー企業では、大企業よりも若い時期に役職につき、年収1,000万円超とすることができるでしょう。
しかし、従業員全員が役職につくことは出来ません。 ベンチャー企業に転職し高収入を得るのは、ごく一部の人といえるでしょう。
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