映画のコンテンツを利用したおもちゃ
今月初旬に東京おもちゃショー2007が開催されましたが、そこで印象的だったのは映画のコンテンツを利用したおもちゃやゲームが増えていることでした。また、ボードゲームとDVDを組み合わせた形など、エンターテインメント分野でのコンテンツ、機器の相互利用が進んでいます。
おもちゃ業界にとっては、映画コンテンツを利用することで安定的な需要が見込めること、映画業界にとっては、映画をDVD化、キャラクターグッズ販売など収益の裾野を広げていく過程でおもちゃ業界をも顧客にすると同時に、おもちゃで遊ぶ子供を映画コンテンツに引き止める可能性があるなど、おもちゃ業界、映画業界双方にとってメリットは大きいようです。
おもちゃでないおもちゃが収益を分けるか
玩具業界の市場規模は約1兆円程度で横ばいです。いくらメーカー側がさまざまなおもちゃを取り揃えることでポートフォリオを形成し収益の安定化を図っても、市場の規模が伸びない現状では限界もあります。
そこでメーカーにとっては、いかに周辺分野を開拓するか、つまり、消費者におもちゃと認識させなくともおもちゃを売ることができるかが重要となります。
今年上半期にヒットしたタカラトミーの人生銀行や、バンダイが9月下旬に発売予定の∞プチプチなど、ゲーム然としていない安価なアミューズメント商品は、おもちゃ売り場以外でも販売することができますし、消費者が保有するおもちゃ用の財布(予算)以外からの支出も期待できます。たまごっちが流行ったときもそうでしたが、おもちゃメーカーを救うのはこういう商品かもしれません。
重要なネットマーケティングの活用
∞プチプチは、ネット上、ブログ上で大きな話題となっていましたが、実際の発売は9月下旬。ネットでの話題性は移り気が早く、ネットで盛り上がった時期に発売がまだというのは、話題性を販売に結びつけることができない可能性があります。
安価なおもちゃ商品は、一度ブームとなると大量の商品が売れ、在庫がすぐになくなる可能性もあり、その場合は売り逃しが発生します。先にネットで話題になっていると事前に需要を把握しやすく売り逃すリスクが軽減される一方、ネットでの話題は瞬間風速的な場合もあるので、その判断が難しいところです。メーカー側にとっては、インターネットはブーム創出には欠かせない一方、タイミングと必要商品数の見極めは容易ではなく、ネットマーケティングは以前にも増して重要度と難易度が高まっています。