株価は上がるの? |
株式購入は超高級な買い物
車を購入するとき、皆さんはどのようなプロセスを経るでしょうか?何冊もの情報誌を購読し、そしていくつものディーラーを訪問し、試乗を何度も繰り返し、それでもまだ購入するかどうか迷いに迷います。じっくりと時間をかけて比較、吟味を繰り返し、その結果として購買という流れになります。実際には購買をしないという決断を下すことも多々あります。
車の購入は、万が一失敗しても、大きく損をすることはないでしょうし、それによって自らのキャリアが狂うということもありません。しかし、株式投資を行うファンドマネージャーの場合、株式投資での失敗は、その後の自らのキャリアに大きく影響します。車の購入に比べても、株式投資のほうがより慎重にならざるを得ません。
企業経営陣がIRを通じて投資家に情報を提供する作業は、まさにその比較、購買プロセスの一つなのです。売る側は我慢が必要ということをお分かりいただけると思います。
1回のIR活動で直接株価が影響を受けるものではない
IRが比較、購買のプロセスであると考えると、1回のIR活動が直接目先の株価上昇につながるものではないということが分かると思います。車のディーラーが、1度顧客に車の性能を説明したところで売れないのと同じです。継続してコミュニケーションを行う必要があります。
また、商品を販売した後はアフターサービスが重要になりますが、IRでも同様で、株式を購入した株主に対しても継続的な対話が重要なのです。このように考えるとIRとは、企業の商品を販売するのと同じようなコミュニケーションスタイル、マーケティング戦略が重要であるということになります。
IR活動をできるうちが花
実は、IRにおいては投資家と会いたくても会えない企業がたくさん存在します。その企業に会いたいと思う投資家が存在しない場合です。意外とこのタイプの企業がたくさん存在します。
したがって、IR活動ができるうちが花なのです。IRって株価に効くの?と懐疑的な見方や意見をして投資家をないがしろにしていると、そのうち、投資家に会いたくても会えない悲哀を味わう羽目になってしまうかもしれません。投資家も、だれかれと分別なく企業への投資を検討しているわけではないのです。
■「投資に役立つIR・業界情報」のメルマガ登録はこちらから。