外貨預金の金利は日本円の金利の約30倍
投資の選択肢の一つとして、最近ではすっかり定番商品となった外貨投資。外貨投資とは、外貨建ての金融商品に投資することで、たとえば外貨預金や外貨MMF、外国債券や外国為替保証金取引など、様々な種類の商品があります。投資できる通貨は増加傾向にあり、米ドルやユーロはもちろんのこと、豪ドル、NZドル、さらには英ポンドやカナダドル、人民元など様々です。
人気の理由はいろいろありますが、その一つに、日本円で長く続く低金利の状態があります。ソニー銀行の例で具体的に見てみましょう。日本円の1年物定期預金の金利は0.075%(10万円以上100万円未満)であるのに対して、1年物外貨定期預金は2.725%(1万米ドル相当額未満)。外貨預金の金利は、日本円の定期預金のなんと約30倍なのです(2005年7月13日現在)。さらには、円だけで資産を持っていると、円安時やインフレ時になった時に資産が目減りしてしまいます。そのリスクを軽減するという点からも、外貨投資が注目を集めています。
確定利回りの外貨預金VS流動性が高い外貨MMF
外貨投資で人気を集めているのが、外貨預金と外貨MMFです。そこで今回は、この2つに絞って解説をしていきたいと思います。
外貨預金は、円での預金が外貨に変わっただけなので、初心者でも手軽に始めることができます。外貨普通預金と外貨定期預金があり、利回りが確定している点が安心です。外貨普通預金は期間の定めがないため、流動性が高いのが特徴です。外貨定期預金は期間が決められていて、途中解約は原則できません。普通預金に比べて、若干金利が高めに設定されています。ソニー銀行の米ドル普通預金であれば、1米ドル(7月13日現在、1米ドル=約111円。以下同)以上で預けられます。
外貨預金と並んで人気が高いのが外貨MMFです。外貨MMFは投資信託の一つで、比較的安全性の高い金融商品で運用されているのが特徴です。利回りは運用実績で決まる実績分配方式ですが、比較的安定した利回りを得られる点が人気となっています。分配金は毎月末、税引き後に再投資されるため、複利効果があります。ソニー銀行の外貨MMF(米ドル)であれば、100米ドル以上(1米ドル=約111円ですから約1万円ちょっと)で預けられます。
通貨が幅広いのは外貨預金
外貨預金も外貨MMFも、投資できる通貨で代表的なものと言えば、米ドルやユーロでしょう。最近では、豪ドルやNZドルなどの高金利通貨が人気を集めています。前述のソニー銀行の外貨預金では、米ドルやユーロが1年定期で1~2%程度であるのに対して、豪ドルやNZドルなどは4~5%です(2005年7月13日現在)。高金利通貨は、うまくいけば高リターンを得られる可能性がありますが、米ドルやユーロに比べて情報が少ない点は否めません。外貨MMFの場合も、豪ドルやNZドル建ての高利回りものに人気が集まっていますが、外貨預金に比べて取扱い通貨が少ない点がデメリットとも言えます。
手数料が安いのは外貨MMF
為替手数料は、外貨預金では一般的に、円を外貨に換える時、預入時と解約時に往復2円程度の為替手数料がかかります。その点、外貨MMFの方が外貨預金に比べて若干安く設定されていて、往復1円程度が一般的です。また、高金利通貨は手数料が割高に設定されていますので、覚えておくとよいでしょう。外貨預金も外貨MMFも為替リスクがあり、円安になれば利益が生じ、円高になれば損失が出る仕組みです。預入時と解約時の為替動向次第では元本割れになってしまう可能性があります。どちらに投資したとしても、手数料はできるだけ安い方がよいでしょう。
次のページでは、実際に投資する際の注意点などを見ていきたいと思います。