掛け捨ての定期保険は本当に損なの? |
定期保険の仕組み
同じ定期保険でもその仕組みについては、若干の違いがありますので、まずはその主な違いについて確認しておきましょう。【その1】「年満期」か「歳満期」か
定期保険の保険期間については、(1)加入時から5年間・10年間・20年間というように年数で期間を定めている「年満期」と、(2)被保険者が50歳・60歳・70歳というように、年齢で期間を定めている「歳満期」の2種類に分けることができます。
【その2】「更新型」か「全期型」か
加入から10年などの一定期間で更新を繰り返す「更新型」と、最初から20年・30年など長期間で契約する「全期型」の2種類に分けることができます。
この2つの主な違いは、「更新型」は、その更新の時点での健康状態にかかわらず、従前と同様の保障内容で更新は可能ですが、保険料はその更新時の年齢で再計算されるので、更新後の保険料はアップします。「全期型」は、当初の保険料は「更新型」と比べて高いですが、保険期間満了までそのままで変わることはありません。つまり、「更新型」は、月々の保険料の支払い額が更新ごとにアップし、「全期型」はずっと変わりません。保険料の支払い総額で比べると「全期型」の方が安くなります。
【その3】「平準型」か「逓減型」か
「平準型」とは、保険期間中の保障額が一定で変わることはありません。「逓減型」とは、保険期間の経過とともに保障額が減っていきます。「平準型」は、保障額が一定なので、保険期間の終期には必要な保障額よりも大きな(余分な)保障がついてしまっていることがありますが、「逓減型」は、保障額が年数とともに減っていくので、保険期間の終期において自動的に余分な保障がなくなっていきます。
【その4】「有配当」か「無配当」か
他の生命保険と同様に、定期保険にも配当がつく「有配当型」と、配当がつかない「無配当型」とがあります。保険期間中に死亡した場合、実際に受け取る保険金額は、有配当型のものについては、死亡保険金+配当金になり、無配当型のものについては、死亡保険金のみになります。保険料負担で比較すると、「有配当型」の方が「無配当型」よりも高くなります。
このように少しずつ違いがありますので、ライフプランに合ったものを選びましょう。
解約返戻金はないに等しい
定期保険の大きな特徴の1つに解約返戻金があります。解約返戻金とは、保険期間の途中で解約したり、失効した場合に、契約者に支払われるお金のことで、このお金については責任準備金を基礎に計算されます。満期保険金がない定期保険の場合、保険会社は預かった保険料を満期保険金のために、ためておく必要がないので、この責任準備金は0円か、あったとしても少額になります。それは解約返戻金についても同様です。つまり、定期保険は、終身保険や養老保険のように、支払った保険料がたまっていくわけではないので、貯蓄性がないということです。この点が、掛け捨てと呼ばれるゆえんでしょう。しかし、定期保険は掛け捨てゆえに、保険料負担も少額で済むのが特徴です。
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