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予定利率引き下げ問題、参議院本会議で成立 保険業法改正と業界の動き 1(2ページ目)

とうとう生命保険の予定利率引き下げ問題が可決。保険会社の選択肢が増えることになりました。契約者にとっては負担を強いられる内容です。金融庁が、8月13日までは意見を受けつけています。思いを出しませんか?

執筆者:陣内 恭子

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法案の施行前の今、どう動けば良いのか?

自分の保険会社や保険契約が、

 ◇ 該当するのだろうか?
 ◇ 該当する可能性があれば、今、どうすればいいのか?
 ◇ 該当したら、どうすればいいのだろうか?


これらが、これからの気になるところでしょう。

まず、今、保障準備の基本に立ち返ることが大切です。
≪ 必要な保障が準備できているのだろうか? ≫
と、
保障金額、保障期間、保険の種類など適切な加入であるかどうかを確認する作業
です。

もちろん、あっていなければ、予定利率引き下げ問題とは切り離して見直しが必要です。

次に、保険会社の状況を確認します。
他社からの風評は、その根拠となるデータ等で押さえることが大事です。生命保険会社の格付は、S&P(スタンダード&プアーズ)・ムーディーズ、R&I(格付投資情報センター)などを見ておきましょう。

「ソルベンシー・マージン比率」については、生命保険会社自身が出しているものですから、公表の数値は「辛目に見る」必要があるでしょう。最低でも500%以上は欲しいというところです。

予定利率引き下げに該当する可能性があると考えた場合、見直しをする必要があるかどうかは難しい判断です。

保険会社が引き下げをしたいと言った時点から、経営不振をアピールするようなもので、多くの契約者が解約を希望するのではないか、という不安があります。そうなると3%に下げても、保険会社の経営状態は、ますます悪くなると考えられるのです。

保険会社が契約条件の変更を申し出た場合は、内閣総理大臣は申し出の承認とともに、解約業務の停止等をその保険会社に対して命ずることができることになっています。

つまり、現金化したいと思ってもしばらくの間、換金ができなくなるということです。
保険への加入が、保障確保という意味合いではなく、すぐに必要な資金である場合などは、現金化しておく方が安心かもしれません。

そうでない場合は、この解約停止期間中に、保障や責任準備金(解約返戻金に近い数字)が減ることはありません。冷静な対処が必要です。

特に気をつけておいて欲しいのは、貯蓄性の高い保険商品ですが、新聞等で報じられていないケースとして、10年保証期間付き終身年金があります。

これは、予定利率引き下げによって、先にもらえる年金額が6割程度に減るケースもあると試算されています。

まずは、自分の保険がどういう影響を受けそうなのか、きちんとつかんでおくこと。
そして、保険会社の経営状況を見る努力を惜しまないことです。保険会社各社は、今のところ、予定利率引下げは行わないといっていますが、平成14年度の決算結果を見る限り、大変に経営状況が悪いと思える会社があるのは事実なのですから。
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