定期保険のしくみ
定期保険とは、生命保険の基本である死亡保障を有る一定期間「定期」に確保することを目的としたタイプの保険です。保険を長期間かけるということは、それだけ保険会社が保険金を支払うリスクが増えます。高齢になればなるほど死亡率は上がります、保険料は高くなるわけです。したがって、大きな金額の保障を確保しようとしたならば、保険期間を短くすればいいわけです。
そこで、比較的短い期間の生命保険、「更新型」の定期保険が一躍買うことになります。
（生命保険は、満期が来た場合、有る一定の年齢までは健康状態に関わらず更新が可能であり、更新することで継続ができます。これを更新型と言います。必ずしも更新しなければいけないわけではありません）
短い期間、例えば、子どもが独立するまでの一定期間、高額の死亡保障を確保しておきたい、事業が安定するまでの一定期間を大きな保障でカバーしたい等の目的で利用すると、とにかく現在安い保険料で大きな保障が確保できるというその特性を生かすことができるわけです。
反対に保険期間が長期にわたるものを「全期型」と呼びます（最近はあまりこういう呼び方はしないかもしれませんが・・・）。全期型の保険は、保険期間が満了するまで、保険料は変わりません。ただし、保険料は期間の短い更新型に比べると、高齢時までを補償するために高くなっています。
更新型と全期型の損得勘定
もし30年間有る一定の保障を確保しようとした場合、更新型、全期型どちらが良いのでしょうか。更新型の保険期間は10年と考えます。10年ごとに保険料は上がりますが、当初の10年間の保険料は全期型にくらべてかなり安くなるものの、10年後、20年後にはかなり高くなっていきます。
加入当初の年齢が高ければ高いほど、その差は大きくなるでしょう。30年間の保険料総支払額を比較すると、全期型の方が安くなります。もちろんこれはシュミレーションの域を出ません。
10年後は収入も増え、十分な貯蓄ができていて、更新型の保険の保障額を下げることができたり、必要なければ更新をしなくて済むかも知れません。
この場合、全期型に加入していると、高額な保険料を支払った分、更新型に比べると損失となる場合があります。保険は保険金を受け取るために加入します。安い保険料でできるだけ高額な補償を得ることができるに越したことはありません。
全期型の場合、保険期間満了まで無事故でいけば、支払い総額では有利ですが中途で解約したり、保険金を受け取るような事態になった場合は、全期型が絶対であるとは言い切れないことを理解して下さい。
もうひとつ、更新型と全期型には大きな違いがあります。それは更新型には解約返戻金がありませんが、全期型には解約返戻金があるということです。
100歳、99歳といった長期平準定期保険の場合、この解約返戻金は支払った保険料を上回る場合があります。すなわちお金が貯まるのです。
例えば、月払い保険料1万円で10年支払うと120万円です。
ここで解約した場合、解約返戻金が125万円だとしたら・・・・
120万円を保険会社に預けたら、10年後に125万円となり、5万円利息がついたことと同じになります。もちろんその間の死亡保障は無料と同等です。
資産形成と保障を兼ねた長期の全期型、短純な掛け捨ての保険である更新型。ここでも大きく好みが分かれることでしょう。いえ、好みというより、これらの性質や特徴を十分に理解したうえで、どちらが自分に合っているか、自分の希望を満たしてくれるのかを吟味する必要があります。
判断はあくまで自分で
専門家に、どちらがいいかを聞くのではなく、比較および加入にあたり必要な情報を詳しく聞いて自分で判断する必要があります。保険は損得勘定だけで判断すると大きな損失につながります。
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