借金の返済・債務整理/これがキホン!お金を返す大事な話

父が借金をして他界しました。 借金の相続は拒否できますか?

借金の拒否を相続放棄と言います。どんな時に認められるのでしょうか?お二人のご質問から相続放棄と限定承認について考えていきます。

執筆者:天野 隆

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1.相続放棄とは何でしょうか?またどんな時に認められるのでしょうか?今回はお二人のご質問にお答えしながら、ご説明していきます。用語解説シリーズ5回目です。

■Aさんの質問■ 

父が多額の借金を残して他界しました。父は500万円の生命保険をかけており、受取人は私です。この場合、保険金を受け取っても相続放棄できるのでしょうか?

■Bさんの質問■

父が他界しました。母はすでに他界していますので、一人息子である私が相続人となりました。父には借金があるようです。正の財産はおそらく僅かな貯金くらいかと思いますが、父名義の多少の土地がある可能性があります。そこで、財産がどのくらいあるのか調べ、相続放棄をした方がよいのか、2.限定承認という方法をとったほうがよいのか決めたいと思っております。この場合まず、財産を調べるのにはどのようにすればよいでしょうか?

■用語解説vol.5■

1.相続放棄

相続人が相続を放棄することです。その相続に関して初めから相続人ではなかったことになります。したがって、相続放棄をした人は、相続財産の取得もなければ債務の負担もありません。また、一部の放棄は認められません。相続放棄をした場合、その人の子供にも相続権はありません。

2.限定承認

相続した財産の範囲内で被相続人の債務を弁済することを条件に相続を承認することをいいます。限定承認となった相続財産は、相続人の財産であって相続人の財産でないような状況になります。

■あなたのためのズバリ解説■

まず相続税上、生命保険は故人の財産にはなりません。ですから、Aさんの場合、仮に相続放棄をしても生命保険の保険金は受け取ることができます。これは、生命保険は亡くなることを条件にした、いわゆる契約という考えによるものです。

Bさんの場合です。故人の財産を調べるには次のような方法になります。
預貯金は金融機関に問い合わせます。
土地は登記簿謄本を取り寄せます。
問題は借金です。取り引きのありそうなところへ確認します。
怖いのは他にあるかもしれないと言う事です。

不安な場合は弁護士さんにお願いすることをお勧めいたします。費用がかかりすぎると思われる方は、家庭裁判所にご相談されるとよいかと思います。

Bさんのように、本当の財産がどのくらいあるのかは調べてみないとわからないということはよくあります。すべて財産を調べた上で、相続されるのか、または相続放棄されるのか、もしくは限定承認という方法を取るのかお決めになった方が良いと思います。

いずれにせよ、疑問や不安をお持ちの方は専門家にご相談されることをお勧めいたします。

■その他の問題

相続放棄しても遺族年金がもらえるか?
自分が放棄すると他の親戚に迷惑がかかるか?
相続放棄の手続きはどうするのですか?

という問題があります。
この点についてはオールアバウトジャパンの「お金を借りる・返す」のガイドの山口京子さんがわかりやすく『解説』をされているので参考にして下さい。
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