「家事をする夫」の娘は結婚の意向も強い
未婚者は両親の夫婦関係から、「結婚とは何か?」「結婚で得られる幸福感」などのイメージを作り上げます。そのため、夫婦関係が良好な家庭に育った人ほど結婚への意欲を持ちやすいであろうことは容易に想像できます。
また、古いですが、こんなデータもあります。
「国民生活白書」(2005年版)によると、20代、30代の女性たちの中で、父親の家事参加がなかった家庭で育った人ほど、結婚への意向が低いというのです。
下図で「一生結婚しない」と答えた女性に関して「父親が家事をしていた率」が特に低いのがわかるでしょう。
国民生活白書(2004年)より
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<父親は家事をしていたか?>
YES
20~24歳 男性31.2% 女性27.6%
25~29歳 男性27.9% 女性24.5%
30~34歳 男性27.3% 女性18.5%
35~39歳 男性21.1% 女性26.7%
<結婚への意向別>
(上記20~39歳の回答)
1年以内に結婚したい 男性28.7% 女性25.1%
理想の相手なら結婚したい 男性24.5% 女性24.5%
まだしたくない 男性29.3% 女性28.5%
一生結婚しない 男性27.0% 女性17.9%
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
考えてみれば、当然かもしれません。
父親は家事(や育児や親の介護)をせず、全て母親が担う姿を見て育った女性にとって、結婚は重荷にしか感じられないことでしょう。
結婚しても仕事を続けたいと考える女性ならなおさらです。
家事・育児が「セカンドシフト」のようにのしかかるイメージは、女性にとっての結婚観をネガティブなものにします。
家事をしない父親が日本を消滅させる?
国民生活白書には、父親が家庭で家事に参加していないことが「女性たちに結婚を選択させない1つの要因となってはいないだろうか?」と書かれていました。家事をしない夫を許してきた妻にも責任はあると思いますが、夫婦で協力して家事をこなす姿を見せることが、特に娘にとって結婚をプラスに考える第一歩になるようです。
家庭は夫だけでなく、夫婦双方にとってくつろぎの場でなくてはならないはずなのです。社会で働くことと同じように家庭での責任を果たすことも大事なはずなのに、男女間のワークライフバランスの意識の差はまだ埋まらないようです。
共働きをしているのに、家に帰ると女性だけが家事・育児をしている。かつての生活イメージに矛盾を感じるべきだと思います。家事をしない父親像を子供に植え付けると、少子化はますます悪化する可能性があるわけです。
もし今、家事をしない夫を持に不満を感じている妻がいたら、そんな男性を再生産しないよう、息子に積極的に家事を分担する習慣をつけさせるべきです。でないと、マジで西暦3300年前後には地球上から日本人が消えてしまうかもしれません!?
【参考コラム】
税金・手当面で子どもは何月生まれがおトク?