地震による火災や災害は火災保険の対象外
火災保険は地震による損害は補償していません。まずは地震保険の補償内容をよく理解しましょう。 |
しかし、火災保険の補償範囲は、日本にとってはとても関係が深い「ある災害」による損害には対応していないということを知っていましたか?
その災害とは地震です。残念ながら、火災保険は地震による火災や災害は補償していません。よって、地震のときの火災や災害による損害を補償するためには、火災保険とは別に地震保険への加入が必要となります。
地震保険は火災保険と同様に、建物と家財が補償の対象となり、補償範囲は次のようになります。
■地震保険の主な補償範囲
●地震により火災(延焼も含む)が発生し家が焼失
●地震による家の倒壊や埋没
●火山などの噴火による家の損壊
●津波による家の流出
保険金額の決まり方
では実際に支払われる保険金はどのように決まっているのでしょうか。火災保険と仕組みが違っていて、補償される損害の程度は全損、半損、一部損しかなく、契約金額は時価額となります。それによって、支払われる保険金も、全損の場合は保険金額の全額、半損の場合は保険金額の50%、一部損の場合は保険金額の5%となります。ちなみに損害の程度の判定基準は建物と家財ごとに次のように定められています。
【建物】
■全損
主要構造部の損害額が時価の50%以上、または焼失あるいは流失した部分の床面積が70%以上である損害
■半損
主要構造部の損害額が時価の20%以上50%未満、または焼失あるいは流失した部分の床面積が20%以上70%未満である損害
■一部損
主要構造部の損害額が時価の3%以上20%未満である場合、または床上浸水の場合の損害
【家財】
■全損
家財の損害額が時価の80%以上である場合
■半損
家財の損害額が時価の30%以上80%未満である場合
■一部損
家財の損害額が時価の10%以上30%未満である場合
ちなみに、地震保険はどの損害保険会社でも、これまで説明した補償内容から、次のページで説明する保険金の設定から保険料までについてまったく同じ内容です(JAや共済組合の地震保険は除く)。
それは、民間の損害保険会社が単独で地震保険を引き受けてしまうと、地震の規模によっては莫大な保険金を一括で支払うことになり、倒産してしまう可能性があるので、地震保険は民間の損害保険会社全体と政府が共同で地震保険の引受や保険金支払いを行う仕組みになっています。
次のページでは、どのくらいの契約金額ができて、実際にどのくらいの保険料を支払う必要があるか説明します。あわせて、今年からスタートした地震保険料控除制度という新しい減税制度についても説明します。