開花直前！東京の秘密のお花見寺を大公開(3ページ目)

谷中霊園は桜のトンネル

谷中霊園も人気の花見どころです

まずは、広大な谷中霊園を歩きます。このあたりも、昼間から場所取りの青いシートが目立ちます。墓地でお花見の大宴会というのも、日本ならではの光景ではないかと思います。

少し歩いたところに天王寺というお寺があります。これは、かつて谷中一帯で一番大きかった寺で、昔は感応寺という別の名前でした。立派な五重塔もありました。江戸を代表する塔として有名で、 幸田露伴「五重塔」のモデルともなりましたが、昭和三十二年に、男女の心中からおきた火事で燃えてしまい、今は墓地脇の公園の中に礎石だけが残っています。

＜DATA＞
■谷中霊園
・所在地：東京都台東区谷中7-5-24
・交通・アクセス：ＪＲ日暮里駅より徒歩５分
・地図：Yahoo!地図情報
・TEL: 谷中霊園管理所　03-3821-4456　（こちらでは、霊園内の有名人のお墓マップがもらえます）

谷中の町はお寺と桜だらけ

谷中の小さな寺で見つけた枝垂れ桜

谷中は友人や行きつけの店が多いので、よく歩くのですが、桜のころと紅葉のころは、格別に美しく見えます。このごろ人気が出てきたので、休日は訪れる人が増えましたが、平日なら静かなものです。

お寺の土塀が張り巡らされた細道のそこここに、それは素晴らしい桜の木が見え隠れしています。気に入った木があったら、ちょっと入ってみて眺めたり、写真を撮ったり。そんなことをしているうちに、だんだんと日が傾き始めます。

人力車で回るのもお勧めです

女性の人力車引きさんが活躍しています

京都や浅草にはたくさんの観光用人力車が走っていますが、ここ谷中でも、近年、人力車引きさんを見かけるようになりました。と言っても、大きな組織ではなく、若い人たちが独立してはじめた「音羽屋」という車屋さんがひとつあるだけです。ここには近藤るみさんという若い女性の車引きさんもいらっしゃり、長い髪をなびかせて谷中の町を疾走する姿がとても印象的です。

小さな組織だけにサービスもきめ細かで、桜の隠れ名所もよくご存知。
彼らに案内してもらいたい方は、
こちらのホームページをごらんください。

日暮里の名所、本行寺

本行寺前でお客さんを待つ音羽屋さん

人力車の音羽屋さんは、日暮里駅近くの路上で待機しています。そのお向かいにある本行寺も、門構えの立派な美しい寺で、わたしのお勧め。このあたりは、太田道灌が城を築いたといわれる道灌山の始まりで、景色のよい台地です。月がよく見えたことから、江戸時代には、「月見寺」という風流な名前で呼ばれ、小林一茶も立ち寄りました。

境内には、いろいろな花の咲く木があって季節ごとに和めますが、とりわけ、夕日に照らされる枝垂れ桜が、この世のものとは思えない幻想的な美しさでした。やはり桜の花は、どれだけ咲き誇っても、どこかもの淋しい風情があるところが好きです。


※今回の記事で使った写真は、すべて2006年の3月31日に、実際にこのコースを歩いて撮ったものです。お天気に恵まれ、ちょうど桜も満開のベストな日でした。今年の満開はいつになるでしょうね。

＜DATA＞
■本行寺
・所在地：荒川区西日暮里3-1-3
・交通・アクセス：ＪＲ日暮里駅より徒歩２分
・地図：Yahoo!地図情報
・TEL: 03-3821-4458

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