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ブッシュ大統領に学ぶ言い間違いの直し方

言い間違いは誰にでもあること。問題はその訂正の仕方です。言い間違い名人ブッシュ大統領も使う訂正に便利な英語表現とは何でしょう?

森 弘之

執筆者:森 弘之

日常英会話ガイド

Yes No は難しい

Yes じゃなくて、No だった

英語のYes, Noは難しいという話を以前しました(『簡単なようでムズカシイYes/No』)。相手が否定疑問文や Do you mind で質問してきたときの答え方が、日本とは逆になるからです。たとえば

Do you mind if I talk to you now? (今お話してもいいですか)

と聞かれ、OKとの返事をしようとする場合、答えは"No"ですが、うっかり"Yes"と答えてしまいがちです。

では間違って Yes と言ってしまった後で、No と言い直すにはどう言えばいいでしょう?

「Yes、いや違った、Noだ」と頭の中で考えて、「いや違った」=「No」と思い、

Yes, No! No

と言うかもしれません。これでも、おそらく通じるでしょう。ただ、「いや違った」を言おうとして使った"No!"がその意味で解釈されるかどうかはわかりません。たんに、Noを連呼しているので答を No に言いなおしているんだな、と思われるのが普通でしょう。

逆に、No を Yes に訂正する場合はこのような言い方はわかりにくくなってしまいます。「No、いや違った、Yesだ」を英語に直して

No, No! Yes

と言ってしまうと、No なのか Yes なのか聞いているほうはさっぱりわかりません。結局、「いや違った」=「No」という表現に無理があったのです。

言い直しの表現 I mean

言い間違いは、このYesとNoに限らず、いろいろな単語で起こりうることです。そんな訂正に便利な表現が I mean です。I mean は別の表現で先月も取り上げましたが、とても便利なフレーズです。

たとえば上の例のように、Yes を No に言い直したいのであれば

Yes, I mean No.

と言えばOKです。この場合、「Yes, いや、Noと言おうとしたんだ」という意味になります。同じように、何か言い間違いをしたときは、I mean と一言挿入して正しい言葉を続ければ、相手にはきちんと伝わります。

言い間違いといえばブッシュ大統領

guilty じゃなくて innocent だった

言い間違いと言えば、アメリカの歴代大統領の中でも群を抜いて言い間違いの多いことで有名なブッシュ大統領。数多くの言い間違いの中に、当然 I mean で訂正している例があります。ブッシュ大統領が、テキサス州知事時代にラジオ放送で死刑制度について語っている場面で、

I do not believe we've put a guilty ... I mean innocent person to death in the state of Texas.
(テキサス州で有罪、いや、無罪の人を死刑にしたことなどないはずだ)

というように、うっかりguilty (有罪)と言ってしまったところを I mean を使って innocent (無罪)に訂正していました。(このときはちゃんと気づいて訂正しているだけでも、ブッシュ大統領としてはうまく切り抜けたほうでしょう。)

ブッシュ大統領に限らず、広く使われているこの I mean という表現。ぜひ使ってみてください。

そのほかのmeanの表現:
  I mean it   [記事: その言葉、マジ?英語で言う「私、本気よ」]
  I did't mean to ~   [記事: 知らずに人を傷つけたときにはこんな英語で]

正しい英語を話しているブッシュ大統領:
  ブッシュ大統領就任演説原文!

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