フランス/フランスの観光・世界遺産

仏風時代祭、ランスのジャンヌダルク祭(1)

世界遺産の大聖堂をバックに金髪の騎士ジャンヌ・ダルクが駆ける。鎧兜に身を包んだ戦士が進み、マリーアントワネットの馬車が逃げる。ランスの町を舞台にくり広げられる一大ページェントの始まり!

執筆者:赤木 滋生


本番前に弓を射る練習をする中世の戦士たち。かわいいチビッコ戦士も真剣な表情で弓を引く。
世界遺産の大聖堂玄関脇にある騎馬像はフランスの救世主ジャンヌダルクの像。1435年、天敵イギリスを打ち破り、時の国王シャルル7世の戴冠式を行うためにランスへの道を開いた奇跡の少女を記念して立てられたものです。そして毎年一回、彼女に感謝をささげ、歴史的な戦勝を記念して祝うのがランスのジャンヌ・ダルク祭(Les fetes Johanniques)というわけ。この日、ランスの街中は道路が完全に封鎖され、時代パレードやアトラクション、フォルクロア(民謡)コンサートなどフェスティバル一色となります。

INDEX
  パレード前の街角ウォッチング
  笑いあり歴史ありの時代パレード
  ジャンヌ・ダルク祭情報


パレード前の街角ウォッチング



十字軍兵士(?)たちは掛け声を揃えて行進の練習。鎧を着ていないので軽装に見えるけれど、おそろいの上着の下は鎖帷子。ちゃりんちゃりん、ずしんずしんと重そうな音を立てて歩いて行く。
笛吹きおじさんに教わったジャンヌ・ダルク祭、なるほど周りを見回せばあちこちに風変わりな装束に身を包んだ人々がリハーサルに余念がない様子です。掛け声と共にがちゃがちゃ鎖帷子の擦れ合う音を引きずりながら行進しているのは十字軍か?木陰で冷たく冷えたワインと共に腹ごしらえしているのは、これは又暑苦しい中世の宮廷衣装をまとった一団。カメラを向けるとポーズをとったり捧げの構えをしたり、サービス満点です。


中世の宮廷衣装に身を包んだ出演者が本番前の食事を木陰で取っている。でもちょっと暑そう。冷えたワインをおいしそうに飲んでいる。
大聖堂の北にある解放戦線広場では弓の練習です。背中にしょった皮のホルダーにはたっぷりの矢がささり、クラシカルな弓につがえてぎりぎりと引く様はかなり力がいりそうです。反対側にはわらの的が据えられていて、かなりな勢いでぶすぶす射てゆく一団にはチビッコ射手の姿も見えます。おっ、命中!パチパチパチ。


ランスの町は大戦で破壊されてしまい、復興された街並みはアールデコ調で統一された。フランスでも屈指の美しい街並みを誇っている。
古い歴史を誇るランスの町も2度の大戦を経て、ドイツ軍の手によりこっぴどく痛めつけられ、聖堂は壊され、街は瓦礫の山となりました。そこで美しいランスの町を復興する為に集まったのが当時一流の建築家達です。大聖堂はオリジナルのまま、プラモデルよろしく組み建て直しました。一方では、街並みを流行のアールデコ様式に統一し、モダンで暮らしやすい街と2000年の歴史との融合を成しとげたんです。半世紀以上たった今ではそのちょっとレトロな雰囲気が、なんともいえない統一感と共にわれわれを魅了してくれます。
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