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英語の発音練習のやり方― 「S・TH」

大人になってから英語を習うと正確な発音ができないのでしょうか? そんなことはありません。大人になってからでも練習次第で矯正は可能、きれいな発音ができるようになります。今回は、SとTHの音の特徴に注目してみましょう。

執筆者:川本 佐奈恵

SとTHの発音で意味が変わる単語も多い

英語の発音

英語の発音練習をしましょう


アィム テイキング ア バス

と言うと、何を想像しますか? 通勤で使うバスや二階建てバスのこと? それともお風呂のこと?

I'm taking a bus. (バスに乗っています)
I'm taking a bath. (お風呂に入っています)

ちょっと音が違うだけで、こんなに意味が違ってしまいます。

Sの音は息の音

発音をよくする
バスに乗るときは「スー」と息の音を意識して
Sの音は、「スー、スー」。お昼寝スースー、隙間風がスースー。口の歯と歯の隙間から息を吐き出す音「スー」、これがSの音になります。

教室でこの音を練習するときは、さぁ、誰がこの音を一番長く出していられるかな? と一斉に「スー」の長出し競争をします。あなたは何秒間「スー」の音を出し続けられるでしょう? 腹式呼吸と肺活量も実は英語には必要なんですよ。

参考記事:ネイティブ並の英語発音に矯正! (All About ビジネス英語の竹村氏は発音の専門家です)

THは必ず舌を歯と歯の間に挟む

発音をよくする
お風呂に入っているの、と言いたいときは、舌を歯と歯の間に挟むのを忘れないで
では、次にTHの音。THの音は、正確には二種類あります。

よく「舌を噛んで」、と教わるかもしれませんが、実際には舌は噛みません。舌は、上の歯と舌の歯の間にちょこんと軽くはさむだけです。舌がそのポジションをとったらお腹から「スー」と息を吐き出してみてください。この音がTHの音です。

上の歯と下の歯の間に、ちょこんと舌をはさんだら、その舌を引っ込めると同時に「サ」の音をだして、Thank you! Thanks! Thanks a lot!

今度は、息に音を混ぜてみて、「ズー」。 これが、theyやthatのときの音です。 

SとTH、同じような「ス」の音ですが、舌を歯の間に挟むか挟まないかで大きな違いが出てしまうのです。THを見たら、面倒くさがらず、舌を歯の間に挟むポジションを取る。これを忘れないようにしましょう。

ある、おもしろい話があるんですよ。

I went to Hakone and I took an open bath.
とある生徒が話し出しました。その話を聞いていたネイティブの先生は、(箱根に行って観光バスに乗ったんだな。 へー、箱根まで行くと、屋根が開いたバスがあるんだ)と生徒の話に耳を傾けていました。

話が進むにつれて、どうもつじつまが合いません。そこで先生はふと、気づきました。あぁ! この生徒は、busと言っていたのではなく、bathと言いたかったのだ。

そうです、露天風呂の話をしていたのです。open-air bathと言えばもう少し通じたかもしれませんが、「open bas」と発音したうえに、最後のSの音に手を抜いてしまい、舌を歯と歯の間にはさむことも忘れてしまったのでした。先生の頭の中には、すっかりオープンカーならぬ、屋根の開いたオープンバスの中で気持ちよさそうに観光をしている姿が入ってしまったのでした。

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