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―― 先生は著書も多くお持ちですし、講演もあちらこちらでしていらっしゃいますね。その中で学習者に向けてとてもいい言葉を投げかけてくださっています。ああいった言葉はどこから出てくるものなんでしょうか?
(1) 英語の勉強とは、穴の空いたバケツで水を運ぶようなものだ |
英語の勉強というのは、常に水を注ぎ続けていないと減って空っぽになってしまう。注ぎ続けたからといって、満杯になるものでもない。 |
(2) 他人と比べてはいけない、過去の自分と比べるのです |
長いこと勉強していると、つい他人の英語と自分の英語を比べてしまう。一緒に勉強を始めたあの人は、あんなに上手になったのに... と比較してしまう。昨日の自分より進歩していれば、それでいいのです。 |
(3) 始めはあるけれど、終わりはない |
英語の勉強に限らず何にでも、いつ始めたという、始まりはあるけれど、終わりはない。常に上を見て向上しているので、いくらやってもきりがないんですね。しかし、これはいいことですよ。 |
(4) 登ったり、下ったりを繰り返すものです |
勉強を一生懸命やれば、少しずつ上手になって、しなければ力が下がってしまう。英語がうまく話せたなぁ~と感じたり、あれぇ~、下手になっちゃったよ、英語ぜんぜん、わからなくなっちゃった、と思ったり。これの繰り返しです。 |
(5) 登れば登ってきただけの景色は眺めることができます |
頂上はないけれど、一生懸命登っていけば、それなりに登っただけの景色が見られます。今までとは違った世界が見えてくるのです。 |
自分では意識してしゃべっていないんですよ。何の気なしに知らないうちにしゃべっていて、後で、あぁ、結構いい言葉だなと気付きますね。
―― 記事を読んでくださっている読者の皆様に、特別に何かメッセージをいただけませんでしょうか?
▼ こうなりたいと思う自分の姿をイメージする
自分がどういうふうになりたいのか、イメージすることがとても大事だと思いますね。例えば漠然とイギリスで何かをしている自分でもかまいませんし、アメリカの大学に留学している姿、あるいは、ウォール街で活躍している自分を想像するのです。
何かイメージして、自分は「こういうふうになりたい!」と一生懸命念じます。そして、そのために必要なのは何か?自分の夢を実現させるために英語のどの部分の強化が必要なのかを見極めて勉強するのです。
▼ 自分夢を支えてくれるもの周りに置き、励ます
私は、学生の頃、アメリカに行きたくて行きたくて仕方がなかったんですよ。下宿の部屋にアメリカの大きな地図を貼り、目が覚めると、その地図を見てアメリカを旅している自分を毎日イメージしていましたね。
自分の夢を支えてくれるものを、周りに置いて、自分を励ますことが大切です。
名言を頭に入れておいて何度も言ってみるのもいいですね。
Every cloud has a silver lining. (雲の後ろには太陽が輝いている) |
Hitch your wagon to a star. (君の荷馬車を星へつなげ) |
<編集後記>
「僕もラジオの向こう側の人間でした。それがある日、ラジオのこちら側に回り、視聴者に語りかける立場になりました。」と語る大杉先生。実はガイドの川本自身、大杉先生のラジオ講座を利用し、英語を育ててきました。ラジオの向こう側で先生の声に耳を傾けていた10数年前、こんな有名な先生とお会いし、お話を伺える機会が来ようとは夢にも思ってもいませんでした。英語を勉強してきて、本当によかったかと思う瞬間です。英語が人生を輝かしいものへと変えてくれています。
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