誰かが一歩前に踏み出すきっかけを作りたい
俳優業と共に農業にも力を入れる工藤さん
工藤：僕はプロテニスプレイヤーを目指していましたが、怪我が原因で離脱しました。ただ、プロテニスプレイヤーになる夢はかないませんでしたが、実はテニス以外でもかなえたい夢がありました。
――かなえたい夢というのは？
工藤：まずは俳優になること。映画好きでよく見ていたし、俳優になれば、誰かが一歩前に踏み出すきっかけを作るという夢にも近づけるかなと思いました。
もう1つは農業ですね。農業への興味は小学生のときからありました。親がアスリート（工藤公康：元プロ野球選手）で、母が食事には気を遣っていたので、食の大切さに触れる機会が多く、農家さんからお話を聞いたり、学んだりする機会が多かったんです。
――今、俳優の仕事と共に農業活動も活発ですが、どういうバランスで行なっているのでしょうか？
工藤：僕の中ではどちらも大切な仕事です。『ゴールデンカムイ』の撮影で、ある期間を芝居に注力すると決めたら、農業の方は、先にやるべきことをやっておいたり、不在の期間がどんな状況になってもいいように準備を整えてバランスよく俳優業も農業もやっています。
大好きな映画は『ショーシャンクの空に』
好きな映画について熱く語ってくださいました！
――俳優としての未来はどう考えていらっしゃいますか？
工藤：俳優として、新しいことにどんどんチャレンジをしていきたいですね。目の前にある自分の役を全力で演じ切るだけです。それがいつか自分の糧となり、さまざまな経験へとつながっていくと思っています。
――All Aboutはみなさんに好きな映画や映画の思い出などについてお話を聞いているのですが、工藤さんはいかがでしょうか？
工藤：僕が一番好きな映画は『ショーシャンクの空に』です。中学生くらいのときにDVDで見たのですが、何度も見ている作品です。映画の舞台はほぼ刑務所。冤罪で投獄された主人公が生き抜いていく物語です。
この映画を見たとき「なんて理不尽なんだ」と。刑務所内で起こっていることなのですが、外の世界と変わらないんです。自分の知らない世界、相手にされない世界でも生きていかないといけない。でも生き方なんて誰も教えてくれない。学校でも教えてはくれないですよね。でもこの映画は、人生に悩んだときの指針となることを教えてくれると思いました。
――『ショーシャンクの空に』のような感動作が好きなのですか？
工藤：どのジャンルの作品も見ます。俳優になったばかりのころ、当時はまだレンタルDVDの時代だったので、タイトルあ行から10本、い行から10本という感じで借りて見ていました。お芝居の勉強にもなりますからね。ホラー映画も好きですが、ホラーに限っては外国映画限定。日本のホラーはどこか身近に感じて怖いからです（笑）。
『ゴールデンカムイ』の世界を感じてほしい！
（C）野田サトル／集英社 （C）2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
工藤：原作漫画のファンの方にも、原作を知らない方でも楽しんでいただける作品だと思います。この映画をきっかけに、『ゴールデンカムイ』の原作漫画を読んでみようとか、アニメを見てみようと思っていただけたらうれしい。『ゴールデンカムイ』の世界をぜひ感じていただきたいです。
工藤阿須加（くどう・あすか）さんのプロフィール
1991年8月1日生まれ。埼玉県出身。ドラマ『理想の息子』（2012）で俳優デビュー。映画『1/11 じゅういちぶんのいち』『百瀬、こっちを向いて。』（いずれも2014）で、第24回日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞。その他の作品として『ちょっと今から仕事やめてくる』（2017）『ハケンアニメ！』（2022）など。近作はNetflixシリーズ『御手洗家、炎上する』（2023）。舞台『シラの恋文』（2023～2024）では初舞台に挑戦している。『ゴールデンカムイ』2024年1月19日（金）より、全国にて大ヒット公開中
（C）野田サトル／集英社 （C）2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
監督：久保茂昭
出演：山﨑賢人、山田杏奈、眞栄田郷敦、工藤阿須加、栁俊太郎、矢本悠馬、大谷亮平、玉木宏、舘ひろし
撮影・取材・文：斎藤香
ヘアメイク：中嶋竜司（HAPP’S）
スタイリスト：伊藤省吾（sitor）
