エクセル(Excel)の使い方/関数・数式

これだけは覚えておこう!エクセルの6大必須関数

これだけは覚えておこう!という「6大必須関数」をご紹介します。数多くあるExcelの関数ですが当然ながらそのすべてをマスターする必要はありません。一般的な実務で必要なのは全体のわずか10%程度です。

吉田 拳

執筆者:吉田 拳

エクセル(Excel)の使い方ガイド

これだけは覚えておこう!エクセルの6大必須関数

業務の効率化を助けるエクセル関数

Excelの関数を活用して業務を効率化!

Excelを効率的に使いこなすには何より関数のスキルが大切になります。しかしすべての関数を知っておく必要はありません。

Excelには400個以上の関数がありますが、通常よく使われているのはその10%足らず。それ以外の関数はかなり特殊な部類に入りますので、最初からすべて覚えようとする必要はありません(参考までに、一般的な業務でよく使われているもの、できれば知っておきたいものをリストアップして最後にご紹介しますので、一通り目を通してみてください)。
 

実務における関数の使用目的はこの2つ

実に様々な関数があるわけですが、実務においてExcelの関数を使う目的は「数値集計」と「データ整形」の二つに大別できます。

このうち、ビジネス的な視点から見た、「数値集計」として必須の関数はSUM関数、COUNTA関数、SUMIF関数、COUNTIF関数の4つだけです。この4つの関数を最初にまとめて勉強することで、ビジネスにおける数字分析の基本が身につくのです。例えば「売上」という数字を考える時。

売上には二つの側面があります。「金額」と「件数」です。

例えばあるラーメン屋さんの売上が1日10万円だったとします。この「10万円」というのが「金額」ですね。一方、その10万円は何人のお客さんによってもたらされたのか、という「件数(この場合は”客数”ですね)」という視点が必要になります。この時、売上の「合計金額」を出すのがSUM関数であり、売上の「件数」を出すのがCOUNTA関数ということになります。

次に、合計金額の「内訳」を出すのに使うのがSUMIF関数です。売上の合計金額を「商品別」「顧客別」「支社別」などの内訳に分解する関数です。そして売上件数の「内訳」を出すのに使うのがCOUNTIF関数です。

この4つの関数を最初に学ぶことで、売上や経費などの数字を考えるときに自然と「金額合計」「件数」「金額内訳」「件数内訳」という4つの視点で数字を見る思考が身につく効果があるのです。

そして「データ整形」とは、そのままでは計算などに使えない状態のデータを使える状態に「整形」することで、数値集計以外の関数はExcelの実務的にはこの「データ整形」のために使うものと考えて差支えありません。

例えばセルに「1000000円」などのように、「円」という余計な単位をつけて入力されていると、もうそのセルの値は計算には使えません。なので、この「円」を削除する処理……「置換」機能でもできますが、関数でこれをやるならSUBSTITUTE関数というもので特定の文字を除去することができたりします。このような作業を「データ整形」といい、データ分析の下ごしらえとして大変重要なスキルなのです。

今回は、ガイドが講師を務めるExcelセミナーでも真っ先に教える4つの数値集計関数に、代表的な重要関数であるIF関数とVLOOKUP関数を加えた「6大必須関数」をご紹介します。
 

1.IF関数

「条件分岐」と言って、条件によって複数の答えを使い分ける関数です。

=IF(論理式,真の場合,偽の場合)

第一引数の論理式で指定した条件に一致するかしないかで、第二引数と第三引数のどちらかを自動で使い分けます。第一引数に書いた論理式の答えが真になる場合は第二引数に指定した「真の場合」の文字列や数式を使います。一方、第一引数に書いた論理式の答えが偽になる場合は第三引数に指定した「偽の場合」の文字列や数式を使います。

詳しくは記事「IF関数の使い方 条件によって処理を変える自動判定」をご覧ください。
 

2.SUM関数

指定した範囲の数値を合計する関数です。「売上」で言えば金額合計を出す関数と言えます。

=SUM(範囲)

「=SUM(A1:A10)」という式であれば、A1セルからA10セルまでに入力された数値の合計を出します。

※オートSUM機能のショートカットとして「Alt+Shift+=(イコール)」というものがあるので合わせて覚えておきましょう。
 

3.COUNTA関数

SUM関数が指定した範囲の数値の合計を出す関数なら、COUNTA関数は指定した範囲のデータの「個数」を出す関数です。

=COUNTA(範囲)

括弧内に指定した範囲のデータの数、つまり何かしら値が入力されたセルの数を数えます。詳しくは記事「COUNTA関数の使い方~データの件数を数えるには」をご覧ください。
 

4.SUMIF関数

条件付き集計を行う関数です。売上で言えば「金額内訳」を出す関数です。

=SUMIF(検索範囲,検索条件,合計範囲)

「検索範囲」の仲で「検索条件」を満たすデータを検索し、検索された行のみを対象として「合計範囲」の数値データを合計します。例えば、「4月の支出額リスト」から「用途」が「食費」の「金額」だけを合計する、といった集計が可能です。

詳しくは記事「SUMIF関数の使い方 条件を満たすデータだけを合計」をご覧ください。
 

5.COUNTIF関数

条件つきの件数を出す関数です。売上で言えば「件数内訳」を出す関数です。

=COUNTIF(範囲,検索条件)

「範囲」に指定したセル範囲内で、「検索条件」を満たすデータが入力されているセルを検索し、その個数を求めます。詳しくは記事「ExcelのCOUNTIF関数で条件に合うデータの個数を数える」をご覧ください。
 

6.VLOOKUP関数

IF関数と並んで絶対必須と考えられる基本関数です。必ずマスターしておきましょう。

=VLOOKUP(検索値,検索範囲,列番号,検索の型)

この関数では、第一引数で指定した検索値を、第二引数で指定した検索範囲の一番左の列で上から下に向かって探していきます。見つかった場合は、そのセルから第三引数で指定した数の列目の値を参照します。第四引数を0にすると完全一致、1にする近似値一致で検索されます。

詳しくは記事「VLOOKUP関数の使い方!初心者に役立つ実践テクを解説」をご覧ください。
 

一般的な業務でよく使われる関数一覧

最後にできれば知っておきたい頻出の関数をリストアップします。余裕があればこれらもマスターできるとより便利ですよ。
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