損害保険/火災保険・地震保険を比較しよう

火災保険の商品比較(2015年10月)

火災保険が2015年10月に改定されました。この保険料率・商品改定を考慮して火災保険の比較一覧を更新しました。火災保険も自由化がかなり進んできていて各損保の独自色が強くなってきています。各社の火災保険を一覧表をベースに比較し、それぞれの商品について特徴を解説します。

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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2015年10月、火災保険の商品比較

火災保険の商品比較、どこが違う?

火災保険の商品比較、どこが違う?

自然災害や水漏れ損害の増加で火災保険の収支が悪化傾向です。これを受けて2015年10月より損保各社が火災保険料率等の改定を行っています。

火災保険商品自体は大きな商品改定をしているところはありませんが、これに伴い各損保とも火災保険の商品改定を行っています。

火災保険については各社商品がばらばらのため、補償内容を極力合せて比較することになります。大まかな内容はともかく、免責金額の設定や費用保険金の内容など細かいところが結構違います。

この細かい違いをどう見るかがポイントです。わかりにくいところもありますから、難しいところは専門家などに確認して判断してください。

ここでは火災保険の比較をした一覧表を使って、損保各社の火災保険・地震保険の個別の内容や商品性の違いなどについて解説していきます。

火災保険・地震保険の直近の業界動向

火災保険・地震保険については2014年7月1日より、地震保険料改定が行われました(全国平均+15.5%)。また2015年10月に火災保険の保険料率改定や制度改定が実施されています。この改定については所在地や構造、用途、保険目的等の契約条件で改定率はバラバラです。

さらに地震保険が2017年1月に改定される見込みです。全国平均の改定率は+19%必要との結果がでていますが、2014年改定を考慮して3段階に分けて引上げを行うことが届出されています(第1回は全国平均で5.1%引上げ)。

火災保険商品の商品比較表

前述のとおり、保険を比較するには補償内容や条件を各社で揃える必要があります。火災保険の場合、内容を全く同じにするというのも実際には難しいですが、可能な限り条件を合わせる必要があることは覚えておいてください(地震保険については各社同一の内容です)。

表を参考に、補償の違いと保険料差がどのくらいあるのかを確認して検討みてください。
※いずれも持ち家の場合。保険タイプはすべて新型火災保険(クリックで拡大)

※いずれも持ち家の場合。保険タイプはすべて新型火災保険(クリックで拡大)

※いずれも持ち家の場合。保険タイプはすべて新型火災保険undefined(※1)マンション向けタイプはスタンダードタイプの水災不担保(クリックで拡大)

※いずれも持ち家の場合。保険タイプはすべて新型火災保険 (※1)マンション向けタイプはスタンダードタイプの水災不担保(クリックで拡大)

2014年の火災保険・地震保険比較の記事でも書きましたが、費用保険金については各社かなり差があります。損害保険金と費用保険金の違い、各社の異なる点をチェックするようにしてください。

新築・築浅の物件で割引も。保険料のまとめ払いもお得

2015年10月改定より、新築や築年数の浅い物件(長くて10年程度まで)に割引を適用する損保がでてきています。この割引も割引率や適用期間に違いがあるので注意が必要です。

保険料の払込方法に長期年払い契約がある場合、保険期間1年を一時払いにするよりも保険期間5年等で年払い契約にすると割引がきくケースがあります。保険料を節約するひとつの方法として覚えておきましょう。

また、表の中に免責金額設定についての欄がありますが、共通免責ゼロでも破汚損(不足かつ突発的な事故)は免責設定(数千円~1万円程度)されることが多いので気をつけてください。

各損害保険会社の火災保険の特徴・ポイント

ここからは、損害保険会社ごとの商品の特徴をもう少し詳しくご説明します。

●タフ・すまいの保険(あいおいニッセイ同和損保)
火災保険、各社の特徴は?

火災保険、各社の特徴は?


補償内容の異なる3つのプランから選択し、 必要に応じて水災・風災・雪災・雹災の免責金額を変更することができる火災保険。評価済み保険を導入。地震火災費用保険金の30%、50%型ができたので地震災害等の火災による損害を地震保険と併せて100%の補償にできるようになった。

●スイートホームプロテクション(AIU)
火災・落雷・破裂・爆発を基本にそれ以外の補償を選択する火災保険。水災の補償は3つのプランから選択、支払い条件の複雑な水災補償について損害額の100%を補償するプランがあるのも特徴。比較的割引制度が多く、地震が原因の火災の補償を50%上乗せする特約もある。

●セコム安心マイホーム保険(セコム損保)
ホームセキュリティ割引を適用することが可能で火災保険料が約17~37%軽減される。ホームセキュリティのシステムを導入している建物には相性がいい。他にオール電化住宅割引、建物築浅割引があり、補償プランは全部で3つのプランの中から選択する。

●じぶんでえらべる火災保険(セゾン自動車火災)
火災、落雷、破裂・爆発を基本補償にその他補償を自分で選択する火災保険。補償を減らす場合は保険料だけでなく、要不要をよく検討することが必要。オンライン見積もりに補償ごとの保険料の内訳がでるので参考になる。シンプルな構成の火災保険。

●THE すまいの保険(損保ジャパン日本興亜)
評価済保険の導入により、契約金額を限度に損害が補償。地震火災特約を付帯することで、地震が原因の火災の損害を地震保険と併せて最大で火災保険金額の100%にできる。全部で6つのプランの中から選択する。築年数の割引は新築より11カ月まで。

●トータルアシスト住まいの保険(東京海上日動)
事故防止アシスト、メディカルアシスト、緊急時助かるアシスト、住まいの選べるアシストという4つのアシスト付き。別商品の超保険では地震災害の補償を100%にできる上乗せ補償を付帯可能(地震による火災に限らない)。2015年10月改定より風災の高額免責、水災の縮小支払方式が選択できるようになった。

●住宅安心保険(日新火災)
他社と異なりプランは補償充実の一プランのみ。ただし不要な補償を削除していくことで自分に合った設計をする火災保険。免責金額を各補償の共通免責方式に設定することはできない。新築・築浅物件割引で新築から築10年までの物件に1~10%の割引が適用される。

●未来住まいる(富士火災)
補償の異なるプランが6つありそこから選択可能。オプションの個人賠償責任特約、類焼補償特約、法律相談費用及び弁護士費用等担保特約を付帯すると日弁連弁護士紹介サービスが付帯。WEB申込割引10%、新築相当(2005年10月以降)の建物物件に優良料率が適用。

●GK すまいの保険(三井住友海上)

住まいやライフスタイルに応じたプランが複数用意されており、その中から自分に合ったプランを選択する火災保険。また補償内容を充実させる特約が多数あるのも特徴。共通免責は無しにはできないため、最低1万円の共通免責が付帯される。

火災保険料は全体的には上昇傾向

前述のように、2015年10月の改定を受けて損保各社の火災保険も一層変わってきています。損害率の良好な新築や築浅の物件に割引を適用する動きがでてきていますが、こうした割引を使っていない損保もあれば、割引率についても一律ではありません。

また自然災害や水漏れ損害の増加などで、全体の平均としては改定後の保険料は上昇傾向です。これを受けて、共通免責の内容の改定や高額免責や縮小支払など、自己負担を増やすことで保険料負担を軽減するようになっている損保会社もあります。

リスクの高い・低いに応じた保険料負担の考え方に拍車がかかってきている状況です。2017年1月にも次回の地震保険の改定が見込まれています(3段階に分けて保険料を引上げ予定)。

火災保険・地震保険はこのところ頻繁に改定が行われています。これら住まいに関わる保険の保険料率や制度、商品の改定動向をチェックして火災保険の商品プランを検討してください。

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