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部下とのコミユニケーション。聞いて受け止め指し示す(2ページ目)

部下が居る方も多いと思います。部下がモチベーション高く仕事をしてくれたら、任せたことをしっかりと仕上げてくれたら、こんなに嬉しいことはありません。自らが行わなければならない自分の立場の仕事ができるだけでなく、さらにその上の仕事も狙うことができます。しかし、往々にして部下の仕事の面倒を見たり、自らがそれをしなければならなかったり。部下のモチベーションを上げるコミュニケーションを紹介しましょう。

豊田 健一

執筆者:豊田 健一

総務人事・社内コミュニケーションガイド

従来通りの変化のない世界が、最も安全で安心な世界

部下が楽しく仕事をしている様子

部下の世界を広げる、目的と全体観

私が経験してきた総務という仕事は、その範囲も広く、細かい仕事の積み重ねという側面があります。 どのメンバーも目の前の仕事に追われ、その忙しさに満足してしまい。その日暮らし的な仕事の仕方が多かったものです。

確かに、仕事量も多かったので、目の前の仕事の処理、いままで通りの方法で、何も変えずに対応していくことのほうが失敗もせず、最も安全な方法でありました。しかし、この状態では、改善も変革もなにも起きないままです。

上司としては、自らの成果のため、部門の評価を高めるためには、現状維持ではなく、改善や改革、さらにはイノベーションを起こしていかなければなりません。そためには、自らもそうでしょうし、部下にもいろいろと動きを作ってもらいたいものです。変化のない安全で安心な世界から部下を引き出すには、どうしたら良いのでしょうか?

目的と全体観を示して、あとは任せる

私が新卒で入ったリクルートという会社では、「そもそも」と言う言葉が良く聞かれました。「そもそも、おまえは何がしたいのか?」、「そもそも、この仕事の意味は何?」、「そもそも、何が言いたいの?」。等々。

まずは目的を明確にすることから始まります。「そもそも、この目的は何なのか?」、これを腹落ちさせてから、仕事に取り掛かるのです。目指すべき頂きを確認したら、あとは好きに登ればいいという仕事の仕方です。

目的さえ達成してくれるのなら、あなたのやりたいようにすればいい。いままでの方法は方法。それにとらわれることなく、あなたの考える最短距離で登ればいい。結果として、従来通りの方法が最短距離であれば、その道で登ればいい。

人は自らに裁量権、判断できる余地があるとモチベーションが上がります。その余地を与えるのです。但し、目的は明確に説明しておくことが肝要です。あらぬ方向に行ってしまわれると、その間の時間が無駄になってしまいます。リカバリーが大変なことにもなり得ます。

そこまで任せられない場合は、全体観を示してあげて、その中での工夫を促します。例えば、車両管理という大きな括りでの仕事があるとします。若手メンバーであれば、その全体を司るということはせずに、その一部分、例えば、車両保険の管理、といったことだけを担当している場合もあるでしょう。

しかし、大抵の仕事はシステムとして、いろいろな仕事が関係しています。車両保険は車両の事故と関係があります。車両の事故は車両のメンテナンス状況や、運転者の健康状態、さらには運転者、社員の働き方にまで関係が及びます。

このように、目の前の一担当の仕事の前後関係、さらにそれらも含めた全体像、全体観を示してあげるのです。前工程や後工程が分かれば、そこには工夫の余地が生まれます。先の目的が明確になり、全体像が見えれば、さらにいろいろな可能性が見えてくるはずです。

目の前の一部だけでは、できることは限られています。全体の中での一部分であれば、代替手段の可能性も検討できます。その仕事を無くす、という選択肢の検討も可能となります。ゼロベースで考えることができるようになります。

このように、部下のモチベーションを上げるには、目的の明確化、その目的の範囲なら可能性を最大限にして考えても良いと思わせること。そして、ある程度決まった仕事の中での改善は全体観を示してあげる、そのようなことが有効ではないでしょうか?
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