バレエ/バレエ観劇の関連情報

渡辺レイ×小尻健太 Opto(オプト)インタビュー!(4ページ目)

渡辺レイさんと小尻健太さん主宰のコンテンポラリーダンスプロジェクトOptoが、この秋第三回公演 ”optofile3"を開催。ヨーロッパ時代に出会ったダンサーと共に、群馬を拠点に新たなステージを発信します。上演に先駆け、渡辺さんと小尻さんにインタビュー! プロジェクトの発端と公演への想い、今後の展望をお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド


渡辺さんと小尻さんはNDT時代からのお付き合いですね。

小尻>僕がNDT2にいたときレイさんはNDT1にいて、僕がNDT1に昇格するとき退団してしまって。中村恩恵さんもそのときすでにカンパニーを離れていたのですが、オランダに住んでいたので、よくみんなで集まってご飯を食べたりしてました。永麻ちゃんは僕の一年後にNDT2に入ってきて、退団するまでずっと一緒に踊っていました。泉ちゃんは二つ先輩で、NDT2の始めの一年間だけ一緒に踊ってました。

渡辺>みんな波乱万丈の人生ですよね(笑)。なかでも私たちふたりの共通点は、海外のバレエスクールに行ってないことです。海外に行く若いダンサーのほとんどは、バレエスクールに通ってからカンパニーに 入団します。でもケンタはローザンヌ賞を獲ってモンテカルロ・バレエ団に研修生として入り、その後バレエ団に入団。私はNDT2のオーディションを受け入団。その当時はまだお互い知りませんでしたけどね(笑)。

ph

2004年12月イリ・キリアン作品『アルチンボルド』(NDTダンサー総出演)の衣装で


小尻>毎週土曜日のバレエクラスはNDT1と2の合同で、よくレイさんとおしゃべりして怒られました(笑)。 NDT2から1への昇格は、NDT1にダンサーの空きがあれば可能性はあります。けれど、必ず昇格できる訳ではなく、外部からのオーディションもあるし、同僚もライバルだし、とても狭き門です。NDT1では僕が唯一の日本人男性で、その後もまだ誰も入ってないですね。

NDT2はすごく大変でした。多いときは週5回公演があって、それが1ヶ月半続くんです。 精神的にも肉体的にも鍛えられるし、そこで本当に踊り続けたいか突きつけられる。NDT2で舞台に立つのが辛いだけになってしまったり、踊るのがイヤになってダンス自体を辞めてしまうひとも多かったです。

渡辺>若い頃からプロとしてひたすら踊っていると、踊る楽しさを失ってしまうダンサーがいるんです。若いときはいろいろなことに挑戦できるから、 違う道に行くひともいました。NDT1は年齢層が広く、40歳になっても踊っている人はいましたが、さすがにいつも辛そうでした。今は、私もその場面にいます。

ph

渡辺レイ  オハッド・ナハリン作品『ボレロ』(舞台リハーサル)


小尻>NDT2は若いからツアーも過酷で、“えっ?”っていうスケジュールのこと も多かった(笑)。ブルガリアへツアーに行ったときなんて、現地入りしたはいいけれど、前日に到着してるはずのトラックがまだ着いてない。トラックを入れるところから問題が発生して、当日に慌てて仕込みをして、その間にクラスをやるんだけど、時間がなくなってゲネが途中で終わるという。ぶっつけ本番です(笑)。

渡辺>度胸がつきましたね。(笑)。私はオランダツアーがキツかったです。プロダクションのプレミアがあると、オランダの国内ツアーが始まるんです。毎日バスであちこちの劇場に行っては、リハーサルをして、舞台で踊って、バスに乗って夜中に戻ってくる。オランダって小さいけど縦に長いから、国内でもバスで3時間かかったりする。NDTに戻ってくるのが深夜2時頃で、そこから自転車で家に帰って、次の日また違うところに行っての繰り返し。だからみんな、行きのバスの中では爆睡状態(笑)。帰りのバスの中はパーティーです(笑)。

ph

2005年 金森穣『ノマディック・プロジェクト2[-festival]』東京公演の打ち上げにて

  • 前のページへ
  • 1
  • 3
  • 4
  • 5
  • 7
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます