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東京国際映画祭受賞作を見てみよう!(2ページ目)

10月23日から31日まで開催している第27回東京国際映画祭。六本木ヒルズを中心に繰り広げられる映画の祭典は、来日はもちろん、イベントも盛りだくさんです。ところで東京国際映画祭って、どんな映画が受賞しているの?と思う人も多いでしょう。そこでこれまでの受賞作を紹介しつつ、その中から数作品をピックアップしてご紹介しましょう!

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド


東京国際映画祭の受賞経験あり!の人気監督

第11回・東京グランプリ・東京都知事賞
『オープン・ユア・アイズ』(1997年度作品)

交通事故で顔に大けがを負った青年が体験する恐ろしい体験を描いたサスペンスで、スペインの人気監督アメナーバル監督の出世作です。

顔に大けがをして絶望していた青年(エドゥアルド・ノリエガ)でしたが、ある日、目覚めると顔の手術を終えて、怪我は完治していました。しかし、そのときから身の周りで奇妙なことが次々と起こり始めるのです。今の彼女と元カノが入れ替わったり、違うと言っても誰も信じてくれなかったり……。アメナーバル監督の何が起こるかわからない気味の悪い演出が効いています。混乱する主人公を見ていると、人間は信じる物が何もないとこれほど恐怖を感じるものなのだと改めて思いましたね。この映画はトム・クルーズ主演作『バニラ・スカイ』としてハリウッドリメイク。見比べてみるのも楽しいですよ。

監督:アレハンドロ・アメナーバル 出演:エドゥアルド・ノリエガ 、ペネロペ・クルス、ナイワ・ニムリほか

第11回・最優秀監督賞
『ロック、ストック&トゥ・スモーキング・バレルズ』(1998年度作品)

ガイ・リッチーを人気監督を押し上げたユーモア満載のクライムサスペンス。ギャンブルで借金を背負った若者たち。返済期間は1週間しかない! そのとき隣人の強盗計画を知った彼らは、その金を横取りしようと動き出す……。勘違いやらすれ違いやら手違いやらで、思いがけない方向へと事態が転がっていく姿を軽快なテンポで見せていく。

「なんでこ~なるの?」と言いたくなるような意外性とチンピラ男子たちのイキイキした姿は見ていて楽しい。でもすべて登場人物たちのドジだったりマヌケだったりする行動が発端となっているんですよね。いきあたりばったりゆえの先の読めない面白さがこの映画の魅力。複雑な人間関係とエピソードをうまくまとめあげたリッチー監督の手腕はお見事。監督賞受賞も納得です。

監督:ガイ・リッチー 出演:ニック・モラン、ジェイソン・ステイサム、ジェイソン・フレミング、デクスター・フレッチャー、スティングほか。


第13回・東京グランプリ・東京都知事賞・優秀監督賞
『アモーレス・ペロス』(1999年度作品)

ひとつの交通事故が様々な人々の人生を変えてしまう物語で、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の才気がほとばしる初期の名作です。

事故に遭遇した3人の男女の人生がどのように変わってしまうのかを3つのエピソードで映し出していきます。社会の底辺で生きる者もいれば、華やかなモデル業界で生きる者も。環境が違っても、誰もが人生の苦渋をなめざるをえない瞬間があり、愛に喜び、愛に苦しむこともあるのです。一瞬の出来事で人生が急転してしまったら、どうしたらいいのか。手に入れた幸福を失ったら……。怖いけど現実に起こりうる物語だからこそ胸を打つのでしょう。人生に迷ったとき見たい映画です。

監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 出演:エミリオ・エチェバリア、ガエル・ガルシア・ベルナル、ゴヤ・トレド、アルバロ・ゲレロほか

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