企業経営のノウハウ/社内報の活用法

グローバル展開には必須!効果的な社内報活用法

皆さんの会社では、海外にある支社や事業所、現地法人とのコミュニケーションをどうされているでしょうか。全社的に情報を共有するのに便利なのが、社内報。しかしその発行にあたっては工夫が必要となってくるでしょう。グローバル企業では頭を悩ませる広報担当者も少なくありません。海外の社員にどうリーチするか、見せ方によっては国内従業員にも影響を与えることがあります。効果的な海外版社内報の作成法とは?

豊田 健一

執筆者:豊田 健一

総務人事・社内コミュニケーションガイド

従来は日本語版の完全翻訳版か日英併記社内報

海外版社内報にはどのような形態があるでしょうか? 
パターンとしては以下の二つがあります。
英語で発行されている社内報

完全英訳か日英併記が多い海外版社内報


一つは、日本語版社内報の内容とデザインをそのまま踏襲した状態で、英語版あるいは中国語版で作成する完全翻訳パターン。この変形として、日本語版の全ての記事を掲載するのではなく、特定の記事をピックアップして作成する抜粋パターンもあります。新入社員紹介やクラブ紹介など国内寄りの記事を外すというものです。

もう一つは、日英併記の社内報を作成して海外に発送するパターン。同一ページに日本語とその他の言語(英語が多いが中国語版もあり)を掲載するパターンと、右開きで縦書きの日本語が始まり、左開きでは横書きの英語が始まり、中央のページで同じ記事が日英併記となっているものもあります。日本国内にもこの日英併記を配布する意味は、企業によってはグローバル感を日本人にも感じてほしいからとする企業もあります。

関心事は本社のトップ。次は現地のトップ

先に記した完全翻訳パターンの外国語版。ターゲットはもちろん海外のローカル社員。そこに向けて日本の社員と同じ内容の社内報を配布することに問題はないのでしょうか?

日本を代表するグローバル企業で以前聞いた話です。
「海外ローカル社員が知りたがる内容は、第一位が本社のトップのメッセージであり、その次は現地のトップのメッセージなんですよ。日本国内の出来事にはあまり関心がないようです」。

その話をある広報担当者が集まる経済団体のセミナーで紹介したところ、早速現地にヒアリングした企業がありました。こちらも世界に名だたる企業で、英語による完全翻訳パターンを海外に発送しています。つい最近聞いた話です。
「お話の通り、日本国内の内容より、もっと現地とその近隣の情報が知りたいとの意見が多かっです」。

完全翻訳パターンにしろ、日英併記にしろ、発信者側の知って欲しいという思いは通じていないようです。日本語版社内報をベースにした海外版社内報はあまり読まれていないという実態があるのです。
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