損害保険/損害保険関連情報

ひょう災は、火災保険でカバーできる(2ページ目)

2014年6月24日、東京都三鷹市、調布市では局地的な降ひょうに見舞われました。大量のひょうが積もり、道路が通行止めになるなど異例の事態に発展。家屋やカーポート、クルマなどにも、降ひょうによる損害が発生しています。こうした降ひょうによる建物等の損害は、火災保険でカバーすることが可能です。覚えておいてください。

清水 香

執筆者:清水 香

火災保険の選び方ガイド

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カーポート等、建物の付属設備の損害を対象としない商品もある

建物の範囲に含まれている設備等でも、ひょう災ではカバーを受けられない商品もあります。たとえば、全労済が取り扱う「自然災害保障付火災共済」では、保障の対象となる建物の範囲は、ほぼ上記保険商品のケースと同じですが、一部のものは自然災害による損害を保障の対象としていません(※参照)。

「建物」に含まれ補償を受けられる範囲は?
全労済「自然災害保障付火災共済」の例

全労済「自然災害保障付火災共済」の例
(※クリックすると拡大します)


都道府県民共済(神奈川県は全国共済)が取り扱う「新型火災共済」も同様です。門・塀・納屋・物置・カーポートなどの損害については、火災共済金の対象となりますが、風水害による損害については、保障対象から除外されています。

2014年2月の関東甲信の大雪被害では、東京都下で雪の重みによるカーポート落下等の被害が相次ぎましたが、これらの火災共済ではこれらの被害をカバーすることはできませんでした。今回のひょう災でも、同様に保障対象外となります。

共済商品はシンプルな商品性が持ち味。私たちが負担する共済掛金は損保の火災保険と比べ値ごろなものが多くなっています。その一方で、保障される範囲が限定的となる一面もあります。自然災害による被害は予測できず、修繕費も大きくなりがちですから、この点は特に誤解のないよう、しっかり確認し、納得してから契約することが大切です。
 

予想を超えた事態が相次ぐ今、自然災害の補償はもはや不可欠に

どのような災害が発生しても不思議ではない

どのような災害が発生しても不思議ではない

ひょうが降ることは、これまでは私たちにとってそれほど頻繁に起こることではなかったと思います。であるがゆえに、ひょうが道路に堆積した状況など、見ることはもちろん、予測することすらなかったのではないでしょうか。多くの方がたいへんな驚きをもって今回の事態を受け止めたはずです。

しかし昨今、私たちの経験則や予測をはるかに上回る災害が、日本各地で相次いで発生する事態となっています。住所地や建物にもよりますが、風水害や地震に対する住まいへの備えは、もはや私たちにとって不可欠となったといえるでしょう。

これを機に、わが家の火災保険がどこまで何をカバーしているのか、確認をしておきましょう。住宅や生活用家財など私財の損害に対する公的支援は限定的であり、契約している火災保険は被災後の生活再建のまさに命綱です。

住宅ローンを抱えている方は特に留意する必要があります。ずっと昔に火災保険の契約をしたまま忘れていたり、長い間契約がそのままになっている人は、契約を見直すことも必要になります。さっそく、契約先保険会社の代理店やコールセンターに問い合わせをしてみてください。

【関連リンク】
調布市「6月24日の大雨およびひょうによる市内被害状況」
三鷹市「6月24日午後に三鷹市を襲った雹(ひょう)の被害と対応について」
火災保険の風災・ひょう災・雪災ってどんなの? 
大雪でカーポートが落下。火災保険は使える? 
 
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