制度の変更がアナウンスされた当時は、訪問介護員2級課程(以下「ホームヘルパー2級課程」という)研修への駆け込み受講が増加しました。「初任者研修になると難しくなるのでは」「金額が上がるかもしれない」など、さまざまな情報が流れ、受講者の決心を急がせたのも要因の一つだと思います。それから年度が替わり、初任者研修に統一される頃には、就職希望者の履歴書にもその名称を見かけるようになりました。
新カリキュラムの内容は、従前と同じ130時間の中で、実際の介護現場がよりイメージしやすい構成に工夫されています。また、より専門性を重視した教育を目指しているだけあって、初任者研修、介護福祉士実務者研修(以下「実務者研修」という)、介護福祉士というステップを踏む上で、一貫したカリキュラムで連動した内容になっています。
講義内容が工夫されました
この記事では新しくなった初任者研修について、以下のポイントに沿って述べていきます。
- カリキュラム内容の工夫点
- 受講のメリット
- 学校を選ぶ上でのポイント
カリキュラム内容の工夫点
初回の導入講座が研修全体を活かす初任者研修の初回講座に設定されている項目が「職務の理解」です。通信学習を選択した場合でもスクーリング(通学での実習)として組み込まれている、重要度の高い項目になります。
一言で介護といっても、在宅訪問型の介護サービスから、特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホーム、介護付き有料老人ホームなど建物内で介護サービスを提供する形態、日帰りのデイサービスまでさまざまです。どのような環境で、どのような形で、どのような仕事を行うのかを具体的にイメージすることで、漠然と「介護がやりたい」と捉えている人も、働いてみたい職場を想像する良い材料になります。
また130時間の研修内容は、科目と科目の連続性で組み立てられています。あらかじめどの時間に何を学び、それがどの科目に結びついていくのかを知っておくことで、整理しながら学習を進めていくことが可能です。目的地を定め全体地図を把握しながら進むことで、より効率的、効果的に到着しやすくなるのと同じです。