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体を売って生活する女たちの壮絶な日々「肉体の門」

戦後間もない東京、体を売って生活する女たちの壮絶な日々を描いた作品です。女性たちの渦巻く情念、一途さを、これでもかと力強く描いています。男性陣がかすんでしまうくらい、女性のしたたかなパワーを感じさせる作品になっています。

投稿記事

夢に向かって日々逞しく生きていく女たち

■作品名
肉体の門

■監督 
五社英雄

■出演
かたせ梨乃、名取裕子、加納みゆき、山咲千里、西川峰子、渡瀬恒彦、根津甚八 

■DVD販売元
東映ビデオ


『極道の妻たち』『鬼龍院花子の生涯』『吉原炎上』などを手掛けた五社英雄監督作品。
女性たちの渦巻く情念、一途さを、これでもかと力強く描いています。

■あらすじ
戦後間もない東京。不発弾の刺さった廃墟ビルをねぐらとし、体を売って生活する「パンパン」の女たち。
彼女らの間には厳しい掟があり、破ったものには容赦ないリンチが。
ライバルグループとの縄張り争い、闇市を牛耳るヤクザとの確執……それでも「いつかここでダンスホールを」という夢に向かって日々逞しく生きていく彼女らのもとに、傷ついた復員兵が転がり込んできて……。

実は1964年以降、何度も映画化されているという本作品。
主人公の「おせん」をかたせ梨乃さんが演じる1988年の作品は、5度目の映像化。

あり得ないメイクにド派手なドレスという出で立ちの女性たちが体を張って取っ組み合いのケンカをするシーンは壮絶。
掟を破った仲間を裸にして吊し上げ、鞭打つシーンも壮絶。
さらに、今まさにリンチされている本人が、痛みなどまるで感じないかのように不敵に微笑むシーンはもっと壮絶……。

なんなのでしょう、この煮えたぎるようなエネルギーは。
戦後の混乱期、その中でも底辺に生きる者たちをリアルに描いた作品なのに、悲壮感がないのです。
ライバルグループを率いる「お澄」を演じる名取裕子さんも、息を呑むほど凛として美しいですし。

最後がハッピーエンドで終わらないことと、「うっかり抱くと危ないよ」などというゴキゲンすぎるキャッチコピーに少々不満が残りますが、渡瀬恒彦さんや根津甚八さんといった男性陣がかすんでしまうくらい、女性のしたたかなパワーを感じさせる作品になっています。



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