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近隣の消防活動でわが家に損害が!補償はどうなる?(2ページ目)

火災の怖さとは、たとえ自ら火災を起こさなくても、近隣の火災による延焼被害を受けたり、近隣の火災の消火活動で甚大な被害を受けることがあるところでしょう。でも、自分が悪くなければ何らかの補償を受けられるのでしょうか?以下、詳しく見ていきます。

清水 香

執筆者:清水 香

火災保険の選び方ガイド

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地震火災時、「木密」では甚大な被害が想定される

木密は「東京の弱点」といわれる

木密は「東京の弱点」といわれる

ところで、東京には山手線外周部を中心に「木密地域」といわれる地域が広範囲に分布しています。木密とは木造住宅密集地域のこと。道路や公園等の都市基盤が不十分で、老朽化した木造建築物が多いため、首都直下地震などに起因する火災により、木密地域には大きな被害が発生するだろうと想定されています。

木密地域では、地震時、建物の倒壊や火災がいろいろなところで一度に発生する可能性があります。それが大規模な市街地火災に至ってしまえば、住宅財産だけでなく、人命も脅かされる悲惨な事態になりかねません。このため、「東京最大の弱点」とされているのが木密地域なのです。

そうはいっても、個々の世帯で取り組めることには限界があり、居住者の高齢化や狭小敷地による建替困難、さらに権利関係の複雑さから地域住民の合意形成にも時間を要します。悲惨な事態を招かないための取り組みが喫緊の課題とはいえ、それを実現するのはほんとうに容易なことではありません。

こうした背景を踏まえ、東京都では「木密地域不燃化10年プロジェクト」を実施しています。延焼による消失ゼロの燃えない街の実現、また延焼を防ぐためのインフラとしての主要な都市計画道路の整備を2020年までに達成することを目標とし、改善のためのインセンティブとして、地域の状況に応じた特別支援、たとえば不燃化助成の上乗せや都税の減免措置などのメニューも用意しています。

木密地域での火災延焼を防ぐことはもちろん、さらにいつ地震が起きてもおかしくない時代となった今こそ、震災や火災リスクや危機意識を地域でしっかりと共有し、地域を守る備えに結び付けていくことが、本当に欠かせなくなっているのではないでしょうか。

【関連リンク】
東京都 木密地域不燃化10年プロジェクトにおける取組
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