子育て/毒親・過保護・過干渉

ヘリコプターペアレントにならないために:前編(2ページ目)

ここ数年でよく聞くようになった「ヘリコプターペアレント」という言葉。特徴は、親の過干渉、過管理、過保護。この言葉の発祥の地であるアメリカの研究を交えながら、私達ママ世代ができる子どもとの適切な距離感についてお伝えします。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

子どもへの影響でもっとも深刻なもの

前ページに書いた「ヘリコプターペアレントが子どもに与える影響」、あなたは、この7つの中で、どれがもっとも深刻な影響だと思いますか?

私は、最後の2つ、「自主性に乏しい」「自分ひとりで決断ができない」が特に問題視すべき点だと感じています。気分の落ち込み、不安感、劣等感、人間関係……。確かにどれも深刻ですが、これらは、自主性や自己決断力が不足しているために起こる余波と考えられるからです。

過干渉、過管理、過保護は、

「子どもが自分の足で自分の人生を歩む力を奪ってしまう」

のです。これは、気をつけていかねばいけません!

 

子どもにもママにもそれぞれの人生がある

子どもが一人で歩めるように!

子どもが一人で歩めるように!

そもそも、なぜこのような現象が起こるのでしょうか? それは、母子の距離感の取り方は、誰にとっても難しいものだから、だと思います。

母と子は妊娠中の心身一体状態からスタートし、生まれてからもしばらくはいつも一緒の時期が続きます。

その一方で、子育ての最終的なゴールは、子どもを一人前の大人にすること。

つまり、母子の距離感は、妊娠中から20年ほどで、驚くほど変化をしていくのです!

子どもが小さいうちは、日々の忙しさに流されて、母子の距離感を客観的に見つめるチャンスはなかなかありませんよね。可愛さのあまり、つい距離感ゼロになってしまうことも多々あると思います。そんなときは、ぜひ次の質問を自分に投げかけてみてください。

「子育ての最終ゴールは何だろう?」

日々の忙しさから、一歩引いた見方をするのにおすすめです。

私が、著書などで繰り返し述べているのは、
  • 子どもには子どもの人生がある
  • ママにもママの人生がある
ということです。これは、子どもを見放すことではありません。子どもを認めて、信じているからこそできること。子どももママも自分の足で立ち、自分の足で歩く習慣をつけていきたいですね。

「ヘリコプターペアレントにならないために:後編」では、幼少期から取り入れたい子どもとの適切な距離感の作り方についてご紹介しています。

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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