アカデミー作品賞、過去の名作12本を振り返る(2ページ目)

第76回作品賞『ロード・オブ・ザ・リング／王の帰還』

ファンタジー映画の金字塔と言われる傑作『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの最終章。滅びの山に邪悪な指輪を捨てに行くフロド（イライジャ・ウッド）と仲間たち&サルマン軍とのバトルを繰り広げるアラゴルン（ヴィゴ・モーテンセン）たちの最後の闘いを描く。フロドの大ピンチに立ち上がるアラゴルンの勇姿に涙！ピーター・ジャクソン監督が作りだした映像世界の素晴らしさと語り口の巧さ！『ロード・オブ・ザ・リング』『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』と本作、3本続けて一気に見れば、楽しさ倍増です。

監督：ピーター・ジャクソン
出演：イライジャ・ウッド、イアン・マッケラン、ヴィゴ・モーテンセン、ショーン・アスティン、オーランド・ブルームほか

★オスカープチ情報
アカデミー賞11部門で候補となった『ロード・オブ・ザ・リング／王の帰還』は、11部門すべて受賞！『ベン・ハー』『タイタニック』に並ぶ史上最多受賞タイ記録の作品に。また、この年は『ラスト・サムライ』で渡辺謙が助演男優賞候補、『たそがれ清兵衛』が外国語映画賞候補になりました。

第77回作品賞『ミリオンダラー・ベイビー』

全ての映画人が尊敬してやまないクリント・イーストウッドが監督&主演した感動作。小さなボクシングジムを経営するフランキー（クリント・イーストウッド）のもとに女性ボクサーのマギー（ヒラリー・スワンク）がやってくる。劣悪な家庭環境で育った彼女にはボクシングしか生きる術がない。フランキーは彼女の担当になり、マギーはボクサーとして頭角を表すけれど、不幸な出来事が彼女を襲う……。力強さとけなげさを見事に体現したスワンクの熱演は見事。彼女はこの映画で2度目のアカデミー主演女優賞を受賞しました。

監督：クリント・イーストウッド
出演：クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマンほか

★オスカープチ情報
この年に『Ray／レイ』でアカデミー主演男優賞を受賞したジェイミー・フォックスは、『コラテラル』でも助演男優賞候補に。Wノミネートは票割れしやすいと言われますが、見事主演男優賞を受賞。ほか主演男優賞候補にはジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオという2大スターがおり、受賞式は華やかでした!

第78回作品賞受賞『クラッシュ』

前年に『ミリオンダラー・ベイビー』の脚本で話題になったポール・ハギスが監督&脚本を手がけた群像劇。クリスマス前のLAで、黒人青年の二人が地方検事の車を盗み、それをきっかけに、LAに住む人々の人種に対する偏見や差別や嫉妬などの感情が渦巻く。各エピソードが繋がりを持って描かれていき、ちょっとしたきっかけで差別感情をむき出しにしたり、偏見を持ったり持たれたりという人間の膿をえぐりだす作品。青春スターだったマット・ディロンが警官役を熱演し、初めてアカデミー賞助演男優賞候補になりました。

監督：ポール・ハギス
出演：サンドラ・ブロック、ドン・チードル、マット・ディロン、ジェニファー・エスポジートほか

★オスカープチ情報
アン・リー監督作『ブロークバック・マウンテン』が作品賞の大本命と言われていたけれど、『クラッシュ』がまさかの逆転受賞。『クラッシュ』陣営は授賞式で大盛り上がりでした。『ブロークバック・マウンテン』はカウボーイの同性愛を描くなんてけしからん！と敬遠されたとの噂もありましたが、真実は謎……。


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