フィンランド/フィンランドのグルメ・レストラン

フィンランドで人気のお酒と、販売に関するルール(3ページ目)

フィンランドならではのユニークな味やラベルデザインが楽しめる、オススメのお酒を一挙紹介。また、アルコール中毒者の増加や未成年の飲酒が重大な社会問題でもあるフィンランドでは、厳しいルールでお酒の販売が取り締まられています。その規則についても、旅行者にも役立つ範囲でまとめてみました。

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド


北国の定番、種類豊富でラベルも楽しいウォッカ

ウォッカの陳列棚

隣国ロシアの影響もあり、フィンランドは伝統的にウォッカなどアルコール度数の高い蒸留酒大国。お店の陳列棚にも国産メーカーだけでずらり

サウナラハデン・ヴィーニ

「サウナ岸の蒸留酒」の意味をもつサウナラハデン・ヴィーナのラベルには、ノスタルジックなサウナ小屋のほとりの風景画

隣国ロシアやバルト三国など、北方の欧州諸国でさかんに醸造されているお酒といえばウォッカ(Votka)。特にフィンランドでは、いわゆるウォッカを含めた蒸留酒全般はどれもViina(ヴィーナ)という呼び方をされます。平均アルコール濃度は30~40パーセント前後。

ビールに続いて、ヴィーナも老舗の国産メーカーが山とありますが、ビールと違って飲み比べはさすがに大変。ただ、いずれも飲みやすさに影響するほどの強い癖はないので、まずは濃度やフレーバーの好み、あるいはラベルのデザインで直感的に選んでみるのもよいのではないでしょうか。

コスケンコルヴァ

大麦を原料としたウォッカ、コスケンコルヴァは、最高でなんと60パーセントのアルコール濃度を誇る人気商品。ブルーベリーやサルミアッキなどのフレーバー付きのものもあり

代表的なのは、アルコール度数が30~60パーセントまで取り揃っているコスケンコルヴァ(Koskenkorva)や、2頭のトナカイ印のフィンランディア(Finlandia)、まさにお国言葉の「フィンランド」の名を冠したスオミ(Suomi)、国章に描かれたライオンの意味をもつレイヨナ・ヴィーナ(Leijona Viina)など。

純粋な味を楽しむプレーンタイプのほかに、ベリーやバニラなどのフレーバーが添加されたタイプもあります。なかには、「世界一まずい飴」として恐れられるフィンランドの嗜好品サルミアッキの味がついた、まっ黒なヴィーナまでも!!これは外国人にとってはさすがに賛否両論の味ですね。

ミンットゥ

一口喉を通すだけで爽やかなペパーミントの香りが広がるミンットゥは、アルコール濃度は高めだが女性でも試す価値あり

個人的におすすめしたいのは、アルコール濃度40~50パーセントを誇りながらも、爽やかなペパーミントのフレーバーが強く、体は温まるのに後味がさっぱりしているミンットゥ(Minttu)。女性でも量をわきまえれば楽しめる味です。厳密にはリキュール扱いなのですが、その高アルコール濃度と透明な見た目から、普段はヴィーナの棚に陳列されています。

 
ちなみにフィンランド人は、ウォッカは基本的にストレートで飲みます。50度を超えるウォッカは熱冷ましになるとも言われ、大人が風邪を引いたらショットグラスで軽く喉に通す習慣もあるのです。

近年世界が大注目、フィンランドの大自然由来のクラフト・ジン

Kyro Distillery Company

フィンランドのクラフトジンブームの火付け役となった、Kyro Distillery Company社の爽やかなジンは、日本でも入手可能

近年、急速に世界的に認知度を上げているのが、フィンランドのローカル蒸留所で作られる、フィンランド・ジン。フィンランドの国民食であるライ麦パンの主原料、ライ麦を蒸煮して作られる蒸留酒だけに、これまで話題にならなかったのが不思議なほどかもしれません。

キュロ工場

キュロのジンは、風光明媚な片田舎の川のほとりで、旧ミルク工場の建物を利用し、作られている

特に今、世界中で注目されているブランドのひとつが、2012年にフィンランド中西部の片田舎に創設されたキュロ・ディスティラリー・カンパニー(Kyrö Distillery Company)社の作るジン。ボタニカルに、フィンランドの自然の恵みであるベリーや白樺の葉などを使い、水ももちろんフィンランドの清らかな水資源を使用。ボトルデザインも洗練されており、彼らの作り出すジンは、2015年以降3年連続で、世界的な賞を受賞し、にわかに注目を浴びています。また、この企業に続けと、今フィンランド国内で続々とこだわりのクラフト・ジンを作る蒸留所がオープンしているのです。昨今は日本のバーでも取り扱いの増えてきたフィンランド・ジン、まだ試したことがなければぜひご当地でご賞味あれ!

ワイン&リキュールは、フィンランドの森のベリー味をお試しあれ

ベリーワイン

フィンランドでぶどう畑はまず見られないが、代わりに森でいくらでも採れるベリーがワインの良い原料となる

フィンランドでは、その土地柄国産ワイン(Viini:ヴィーニ)はほとんどお目にかかれませんが、胸を張ってフィンランド産といえるワインが、森で採れたベリーを発酵して作ったベリーワイン。

ブルーベリーをはじめ、クランベリー、現地語でトュルニ(Tyrni)と呼ばれる黄色くてとても栄養価の高い希少なベリーを使ったものまで。アルコール濃度は20パーセント前後とワインにしてはやや高めですが、味は甘みが強く、それぞれのベリーの風味が楽しめます。

リキュール

ベリーの旨みが濃縮されたリキュールは、アイディア次第で飲み方もさまざまに楽しめる

また、ワインと同様にベリーを使ったリキュール(Likööri:リコョーリ)も豊富です。いずれもベリー特有の風味や甘みが強いので、ソーダなどで割るほかに、バニラアイスクリームにかけてもおいしいと評判。

写真のラッカ(Lakka)は、クラウドベリーのこと。おもにラップランド地方でよく採れるオレンジ色のつぶつぶとしたベリーで、リキュール素材の定番です。

強いお酒は、ちょっぴりサイズのボトルでお土産用にも

ミニボトル

酒専門店のレジ手前に必ずあるのが、かわいい小瓶にはいったミニサイズの蒸留酒やリキュール。かさばらいのでお土産にも最適

度数が高くて重さもある蒸留酒やリキュールを何本も買うのは気が引ける……という人にぴったりなのが、酒専門店のレジ前に並ぶ、ミニボトルのお酒たち。容量50~150ミリリットル程度のかわいい小瓶に入っているので、窓辺や机周りに置いておくだけでもさり気ないインテリアになるし、お土産にも最適です。値段も3~6ユーロ程度とお気軽価格。

次ページでは、女性でも気軽に飲めるお酒をいろいろ紹介!

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