フィンランド/フィンランド基本情報

フィンランドの気候・四季と服装アドバイス

フィンランドは、夏と冬の寒暖差や日照時間の差で見れば、日本よりも四季がはっきりとした国と言えます。夏でも涼しいの? 冬はどれくらい寒い? 極寒下の観光は可能? どんな衣服を持っていけば安心?……聞かぬことには想像もつかないであろう極北国の気候と服装について、現地暮らし目線でアドバイス。

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド

気候変動の影響?「標準的」が見定めにくいフィンランドの四季

フィンランドの雪景色

湖も植物も凍てつく、マイナス20度を切った冬の日の雪景色は、寒さも忘れて見つめ続けていたくなるほど清らかで美しい

世界の極北に位置するフィンランドを旅すると決めたとき、まず一番気になるのは「どのくらい寒い?/どんな衣服を持っていけば良いの?」という点ではないでしょうか。温暖湿潤な気候の中で暮らす日本人からすれば、真冬のマイナス20~30度の世界が体感的にいかほどのものか、想像もつかないことと思います。

春の訪れ

木々が芽吹き始め、春の訪れを感じられるのは、中南部で例年5月半ばくらいから

さらに地図を見てもらえばわかりますが、さらにフィンランドは縦にとても長い国。国土の南部と北部では、当然ながら気温や日照時間にも大きな変化が見られるので、滞在予定都市の正確な気象情報を掴まなければなりません。今回は、そうした気候に関する疑問を解消し安心して渡航してきてもらえるように、季節ごとの気候の特色や体感的な目安、服装についての留意点などまとめてみます。ぜひ参考にしながら、トランクの中身を検討してみてください。

まず言及しておきたいのは、近年のフィンランドは現地人が驚き顔をしかめるほど、年ごとに平均気温や降雨・降雪量が変動しており、「これが典型的なヘルシンキの12月」などといった標準気候を失いつつあるということです。必ずしも年々温暖化している、という一方向への変化ではないようですが、とにかく毎年まったく違う夏や冬がやってくるのです。

ホワイトクリスマス

フィンランド人ももちろん、毎年ホワイトクリスマスを心待ちにしているのだけど……

例えば2011年12月のフィンランドは、平均気温がプラス3度もあり、雪がまったく降らずに南部ではまさかのブラッククリスマスを迎えたのに対し、翌2012年の12月は平均気温がマイナス5度を下回り、月始めから雪嵐に見舞われて首都機能が乱れたり……というほどの格差。

つまり、昨年の同じ時期がこのような気候だったらしいから、という情報のみで今年の気候をも決めてかかるのは危険です。現地で発表されている天気予報を、直前までまめにチェックし、リアルな状況を十分に把握した上で、観光計画や衣類の準備に臨みましょう。

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こまめにチェックしたい、フィンランドの気象情報サイト

フィンランド国内で活用されている2大気象情報サイトが、以下の2つ。

Foreca Finland(フォレカ・フィンランド/日本語対応)

Ilmatieteen laitos(フィンランド気象研究所/英語対応)

両者とも、はじめに目的地の地名を入力すれば、わかりやすいアイコンとグラフでもって時間帯別の週間天気予報や予報気温を示してくれます。

気温

同じ気温でも、場所や湿度、風の強さによって体感温度は驚くほど変わる

特にフォレカ・フィンランドのローカル予報ページには、現在の気象観測情報も細かに掲載されているので、とっても便利。気温のほかにも、湿度や、風量や湿度を考慮した実際の体感温度、積雪量、そして気候と併せて気にかけておきたい日の出・日没時間やトータル日照時間がチェックできるので、これを見るだけでも随分リアルに現地の直近の状況がイメージしやすくなるのではないでしょうか。

ちなみに、両サイトで発表されているのはそれぞれ別機関の観測データに基づく予報なので、両者の予報結果は必ずしも一致しておらず、どちらのほうが正当率が高いかも一概に言及することはできません。常に両方のサイトをチェックしておくのが無難かもしれませんね。さらに、フィンランドの天気予報結果は、前日や当日にさえもコロコロと最新情報に大幅に修正されていくので、週間予報だけを鵜呑みにするのは禁物。直前であってもこまめに予報を見なおして、常に最新情報を知ることが大切です。

なお、フィンランド気候状況に関する詳細データや年ごとの変化を追ったデータを概観したいという方は、フィンランド気象研究所がウェブに掲載している気象観測情報ページ(英語)を一読しておくとよいでしょう。

心配しすぎて荷物を増やすより、思い切って現地で調達するのも楽しい!

フィンランドの衣料品店

繁華街に行けば、季節ものの衣類は簡単に手に入る

未知なる気候の国に出かけるだけに、持っていくべき衣類に関していろいろ心配や不安も尽きないとは思います。けれど、トランクに使用確率の低い衣類までを徹底的に詰め込むよりは、帰りのおみやげ分のスペースをとっておきたいもの。

もし万が一持っていった衣類で対応できなくても、現地のお店で調達すれば良いだけのこと。もちろん現地に行けば、その風土や気候にあった商品が並んでいるわけですから、あまり過度に心配せずないものは現地調達、くらいの心意気で挑めばよいのではないでしょうか。

次ページでは、フィンランドの春の気候と服装について解説!

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