運動と健康/簡単トレーニング・ストレッチ・ウォーキング

ママチャリでもOK!サイクリングで爽やかに運動

風が爽やかで過ごしやすい季節となりました。「スポーツの秋」だからこそ運動を始めたい!と思う人も多いのではないでしょうか。日々の生活に取り入れやすいアイテムとしてオススメしたいのが自転車です。通勤や普段のお買い物など時間と場所を選んでうまく活用すれば運動不足の解消につながります。今回は自転車で始める運動についてご紹介いたします。

西村 典子

執筆者:西村 典子

アスレティックトレーナー / 運動と健康ガイド

意外と高い自転車の運動強度

自転車

自転車を上手に活用しよう

自転車やジョギングなどさまざまな身体活動における運動強度をわかりやすく示す指標として、メッツ(METs)があげられます。自転車に乗る(16.1~19.2km/時)運動は一般的なジョギングとほぼ同じ程度の運動強度とされています。自転車競技でのスピードは35~45km/時にもなると言われているので、一般の方にとってこのスピードはさほど速いものではなく、息切れすることなく乗り続けられる強度と考えられるでしょう。参考までにメッツ(METs)による主な運動強度をあげておきます。
  • ストレッチ(ゆったり行う)=2.3 METs
  • 軽いウオーキング(93m/分)=3.8 METs
  • 通勤・通学=4.0 METs
  • 自転車に乗る(16.1~19.2km/時)=6.8 METs
  • 一般的なジョギング=7.0 METs
改訂版「身体活動のメッツ(METs)表」参照

運動による消費カロリーを考えるときは、個人の体重や運動時間に加えて運動強度メッツによって概算することが出来ます。軽いウオーキングよりも時間単位あたりの運動強度が高いということは、消費カロリーもより多いことになり、長く乗り続けられることを考えるとダイエットとしての効果も期待出来ます。

ママチャリをトレーニング仕様に

スポーツ仕様の自転車は本体も軽く運動に向いているのですが、日常でよく使われている自転車、いわゆるママチャリを長時間運動として使用する場合には、事前にいくつか調整しておきたいところがあります。

《サドルの高さ》
座ったときに両足のつま先がつくくらいの高さに調節します。低すぎると運動効果が減少し、高すぎるとバランスが取れずに転倒する危険性が高まりますので、適切な位置に調節しましょう。

《ハンドルの高さ》
ハンドルの高さは、サドルの高さよりも少し高めに設定するのが理想的です。これは工具を使って調節することになると思いますので、難しいかなと思ったら近所の自転車屋さんに相談してみてください。

こうしてトレーニング仕様にした自転車では前傾姿勢を維持しながら乗ることになり、自然と腹部にもグッと力が入ります。

下半身だけではない!自転車の運動効果

自転車置き場

通勤・通学にも自転車は便利

自転車を使った運動は足から太ももにかけての下半身ばかりに目がいきがちですが、実は全身を鍛えることが出来る優れた有酸素運動でもあります。トレーニングを行う法則の一つに「意識性の法則」というものがあります。これは使う筋肉を意識しながら動かすことで、より高い運動効果、トレーニング効果が得られるというものなのです。自転車に乗っているときも使っている筋肉を意識することを心がけてみましょう。

自転車の乗り方としては、颯爽と風を切るようなイメージを持ちましょう。このときペダルは土踏まずではなく、つま先でこぐようにするとふくらはぎの筋肉も鍛えられます。筋肉がつくと太くなるのでは…と心配する人がいるかもしれませんが、専門的なトレーニングを積み重ねなければなかなか太くはなりません。むしろ筋肉を鍛えることで足首が自然と引き締まる効果も。さらに意識的にお尻の筋肉から動かすようにしてペダリングすると、たるんだお尻をキュッと引き締める効果も期待出来ます。

また背筋を伸ばしたフォームで乗ると、見た目にもかっこよく、腹部も引き締まります。前傾姿勢を保つことは上体を固定するために、背中や腰の筋肉をより使うようになります。ハンドルキープによる二の腕のシェイプアップ効果もあり、下半身だけではなく、姿勢維持に必要な体幹部、上肢の運動としても自転車を利用することが出来ます。

楽しく安全なサイクリングのために

反射板

事故防止のため反射板を取付けよう

自転車を日頃の運動不足の一つとして利用する場合には、いくつか気をつけておきたい点があります。まずは公道を走る際、交通事故に気をつけましょう。特に夕方や夜間など暗くなって自転車そのものが目立たないことで、車や歩行者に気づかれにくいことが考えられます。基本的なことですがライトを必ずつけることや、自転車専用の反射板のような光る素材のものを取付けてわかりやすくしましょう。

また自分の運動能力を把握し、ムリなスピードや急激な運動量の増加をおさえ、少しずつ身体を慣らしていくようにしましょう。スピードの出し過ぎも事故につながるため注意が必要です。通勤や通学の時間帯に自転車を利用する場合は、時間に余裕を持って出かけるようにしましょう。

自転車運動も他の運動やエクササイズと同様、行う前には軽くウォーミングアップを行い、ストレッチなどをしてから始め、クールダウンで疲労回復に努めることが理想的です。運動不足を解消したいと思ったら、まずはいつもの日常に自転車を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
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