焼酎/麦焼酎

麦焼酎発祥の地「壱岐焼酎」と壱岐観光スポットをご紹介(3ページ目)

麦焼酎の発祥の地であり、食と歴史の宝庫、壱岐を巡る旅のその2。7月1日壱岐焼酎の日を目前に島内の焼酎蔵7社をすべて訪問。その2では、3社を、おすすめ観光スポットとともにご紹介する。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

木製甑(こしき、蒸し機のこと)とかめ仕込みで伝統の味わいを生む「重家酒造」

建物

趣のある建物。この日は作業で大忙し。活気があった

白砂青松の美しいビーチが広がる筒城浜と印通寺港に近い港町にあるのが重家酒造。雪と見まごうばかりの白砂の意味を持つ「雪洲」がメインブランド。最近では「ちんぐ」のお蔵と書いたほうがわかるかもしれない。

 

甑

昔ながらの甑。一気に蒸し上げる業が味につながる

「ちんぐは“友達”という地元の方言です。韓国語でも同じだってまったく知らずにつけたんです」と人気ブランドを生み出した四代目、横山雄三専務が笑って教えてくれた。バランスがよく風味豊かな「ちんぐ」は、東京をはじめとした中央でも人気の銘柄だ。

初代確蔵の代からという風情のある蔵には、やはり初代から使用される木製の甑(こしき)と仕込み用(一次仕込み二次仕込みすべてに使用)のかめがある。

 

麹室

焼酎蔵には珍しい麹室。清酒を作っていた名残

さらに奥には、清酒蔵のような麹室がある。
「2007年に新しくしました。麹室を持っているのはうちだけかもしれません。理由は昔清酒を造っていたからです。手作業だと細かい調整ができて機械にはできないこともできます」と語る。

 

かめ仕込み

仕込みはかめで行う。手間がかかるが味わい深い商品になる

原料は国内産にこだわる。銘柄によっては裸麦も使用する。テイスティングさせていただいた。「雪洲」は、きれいで華やかな香りが印象的。「ちんぐ」は滑らかで濃くパワフル。黒麹を使った「ちんぐ」はさらに濃く香ばしい風味。「御島裸」は骨太。後味は切れがありドライ。「確蔵2005年」は滑らかでまろみがある。「長期熟成古酒 村主」はさらに滑らかでやわらかく、奥深い印象。米麹を使うせいか熟成したときの変化がとても魅力的だ。

 

ボトル

人気の「ちんぐ」をはじめ、バランスのいい味わいが楽しめる

夏に売りたいと考案した「ちんぐ 夏バージョン」はアルコールが19度。酵母を変えたとのことで、りんごのようなフルーティーさがありさっぱりとしてドライな味わい。ギランと太陽が照りつける夏、オンザロックがパーシャルショットでやるのがよさそうだ。

 

専務

横山専務。製造真っ最中のお邪魔にもかかわらず親切にお付き合いくださる

「芋焼酎や麦100%焼酎の、香ばしさやパンチがウケている昨今、米麹の甘みで後味が甘くフルーティーで柔らかいコクの壱岐焼酎は難しくて」と話す横山さん。しかし、米麹を使うことが壱岐の麦焼酎らしさであることを大切に思い、麦焼酎というより「壱岐焼酎」として売っていきたいという言葉がとても印象的だった。

重家酒造合名会社

続いて、パワスポとしても知られる観光スポットとおすすめのお土産屋さん紹介!
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