高級マンション/マンションのブランド論

マンション業界のブランド戦略~顧客接点の模索

ブランド構築を図るには、顧客接点となる拠点展開が鍵を握る。売っては閉じる販売センターを戦略上そう位置づけるのか。リーディングカンパニー3社の構想は?

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド

左から、三菱地所レジデンス<都心事業部長>小山健介氏、野村不動産<商品開発部長>川合通裕氏、三井不動産レジデンシャル<都市開発事業部都市開発一部長兼商品企画室長>山田貴夫氏

 


商品の特長をいかにして顧客に伝えるか

坂根
住友不動産は、今後5つの「総合マンションギャラリー」に拠点を集約します。商品の魅力をどこでどう伝えるか。お客さんとの接点は、ブランド構築を考える上で重要なテーマです。
小山
三菱地所レジデンス 都心事業部長 小山健介氏

三菱地所レジデンス 都心事業部長
小山健介氏

まだ会社全体としての取り組みにはなっていないのですが、都心事業部でいうと、エリア的な包括を目指しています。例えば文京区、港区、中央区という各拠点ごとに販売センターをつくって、総合窓口的な役割を築こうとしています。
文京区の物件を探しに来たお客さまが、そのなかでいくつかの物件をみることができる。お客さまに、ここにもあるよ、ここにもあるよと、一つのところでご案内できるような、共同販売センター設置を各エリアで目指しています。今でいうと日本橋と文京、それに代官山と赤坂は継続してやっています。番町でも始まりますので、千代田区もそういったエリアごとの拠点を設けて販売していきたいと考えています。
坂根
センター機能といえば、三井不動産レジデンシャルの高級マンション専用の鳥居坂の「グランディオーソクラブ」ですね。
山田
三井不動産レジデンシャル<都市開発事業部都市開発一部長兼商品企画室長>山田貴夫氏

三井不動産レジデンシャル
都市開発事業部都市開発一部長
兼商品企画室長
山田貴夫氏

はい。「グランディオーソクラブ」はもう10年以上になります。それだけ長くやっていますと、お客さまから、いま三井は都心で何を売っているのかと、ふらっと寄ってくださったり。それが結果、商談につながっていくこともあります。
そういうときは、えてして実需物件と違い、お客さまも何がなんでも欲しいというより、一見していいのがあれば、もう一戸買おうかなという方が多い。ずっとお店を広げていて、あそこへ行くと最新の都心マンションの情報が手に入る。 じつは中古物件を扱っている「リアルプラン」も同居しているので、あそこに来ると都心の住まいの悩みが解決する。賃貸、中古、新築とすべてのソリューションを提示してくれる、非常にいいセンターとして機能しています。
今のところは、都心(鳥居坂)の「グランディオーソ」と本郷に一つ、パークリュクス*用のサロンがあります。一方、パークホームズの中小規模の物件ですと、お客さんに三井はこんなこと考えているよとアピールする機会がなかなかないですし、営業も物件のアピールに一生懸命になって、商品や設備のアピールはなかなかする機会がなかったのです。そこで、今回「パークホームズ EXPO 2012」を開催しました。

*パークリュクス:三井不動産レジデンシャルのシングル向けマンションシリーズ
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